第8話 ちょっと話を遡り、転生した頃の話しだ(6)
う~ん、やはり人の声……。女性の声はしないな……。
やっぱり俺の気のせい……。空耳と言う奴なのだろうか? と。
《《あの時の俺》》……。
そう、女性の悲鳴が聞こえたような気がしたから、《《あの時》》の俺……。《《生前の俺》》は自転車を止め、息を潜め、周りの音と言う音に敏感……。ちょっとした音……。些細な音すら逃さないように集中しつつ息を潜めつつ、自分の息遣いの方も最小限に抑えるぐらい息を潜め、女性が強姦に遭い、凌辱行為を受けているのではないか? と、探索をし、続けた。
しかし、あれから俺の耳へは女性の息遣いや呻り、悲鳴、助けを求める声もしない。
俺の耳へと聞こえるのは遠くの国道や県道を走る車の排気、マフラー音やバイクのマフラー音……。
それに救急車のサイレンやパトカーのサイレン……。
特に俺の耳へとよく聞こえるサイレンは消防車のサイレンだから、本当に火事が多いな……。
俺も火の元には本当に気をつけないといかないな……と俺は思ったところで、やはり俺の空耳だったのだろう……。
まあ、俺の空耳……。勘違いと言う奴で本当によかった! よかった!
まあ、犯罪! 事件など、何もないのにこしたことはないからな、あっ、ははは……と俺は思えば。




