第7話 ちょっと話を遡り、転生した頃の話しだ(5)
俺は直ぐに自転車のペダルを踏み、回す行為を辞めて停止……。賢い俺は、この漆黒色に染まる空間……。
そう街灯も少ない夜道は死角も多く《《悪者達》》……。《《変出者達》》……。女性に対して痴漢や凌辱をする《《悪人達》》には、この通りはうってつけの場所だなと俺は、再度周りを見て確認しながら思えば。
先ほどの女性の叫び声は、俺の空耳や気の迷いと言う奴ではなく、女性が凌辱行為に遭っている。
そこを偶々俺が自転車で通りかかったから、凌辱行為に遭っている女性は、俺に助けを求めた。
しかし今は彼女……。強姦に口を押えられているから、声を出すことができないか? 凶器を頬に当てられているか? まあ、どちらか、なのだろう? と。
《《あの時》》! 《《転生前》》の俺は! まあ、阿保だから、放置していればいいのにさ、妙な正義感を募らせて、この後の行動……。
まあ、アニメやマンガ、ライトノベルの観すぎ、読み過ぎの俺は、何とか強姦魔の手から女性を救いたいと思ってしまうのだ。
この後、俺に起きる厄災のことを考えれば女性を放置……。見捨てて、とっとと帰宅の途に就き。
俺は誰もいない電気の消えたアパートの部屋に灯りを灯して、牛丼弁当を食べながらノートパソコンで大好きなアニメでも見ている方がよかったのに、俺は阿保だから正義感を募らせ、漆黒の闇の中──自分の神経と耳を研ぎらせ、小さな音でも注意深く拾い続けるのだった。
暗闇の中、俺は慎重に足を踏み入れた。街灯の薄明かりすら届かぬ闇は、まるで底知れぬ深淵のようだ。
俺の心臓の鼓動が耳元で響き、冷たい夜風が肌を刺す。
俺は彼女は大丈夫なのか? と、俺は心の中で呼びかける。
しかし視界はほとんどなく、手探りで進むしかない。
だが、彼女の微かな動きと息遣いが、確かにそこにいることを告げている気がした。
だから俺の正義感が燃え上がり、闇の中で彼女を探し出す決意を固める。
俺は足音を殺し、周囲の気配に神経を研ぎ澄ませながら、俺は一歩一歩、彼女のもとへと、《《あの時》》近づいていった。




