530/534
第520話 外交編:若木、三国を渡る(2)
俺は書状を読みながら、未来の知識を思い出す。
(信長は、若い頃はまだ《《うつけ姫》》扱いされている時期だ……)
「竹千代殿……。そなたの話だと信長殿は大変な知恵者……。彼女も、そなたと同じく《《未来を変える力を持つ者》》だと、儂は思うのじゃが、彼女は、いずれは敵にも味方にもなり得る……。そなたが、どうしたいのかは、儂にもわからぬが……。今後のことを考え、書状を送るのもよいかもしれぬ……」
「……僕が、信長と外交を?」
「そうです。そなたの言葉で、尾張との関係を安定させなさい」
「えぇ、えええっ! そんなぁあああっ! 僕は尾張のおおつけと書状のやりとりをするのは嫌でございます」
俺が太原雪斎和尚さまに、大変に不快な顔で拒否を示しても。
「だまらっしゃい! 早く書くように……。信長殿に、恋文を書いてはいけませんぞ……」




