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第507話 雪斎和尚の“心を整える”特訓(3)
また、そうならないと、氏真とは違い、木下藤吉郎はうるさそうだから。
俺は座禅で、荒々しい心を落ち着かす訓練に励む。
しかし――
(……あれ? 少し慣れてきた?)
俺は外面は確かにガキだが、この世界の年齢を合わせると、そろそろ四十歳が見えてくる頃だから、俺の心が静まり、安らぎ、周囲の音が遠くなっていく
雪斎和尚の声が、どこか柔らかく響いた。
「よい。竹千代殿。そなたは、心を整える才能も、日々の鍛錬で補うことも可能のようじゃ……。これならば、将来有望な将になることは間違えない……。だから今後も訓練を続けるのじゃ、竹千代殿……」
俺は目を開けた。
「雪斎和尚さま……僕、強くなれますか?」
「強くなれますとも。そなたは、まだ若木。だが、心を鍛えれば――甲斐の虎にも折れぬ大樹となる」
その言葉は、胸の奥に深く響いた。
修行は続く。
座禅、呼吸法、心の静め方。
雪斎和尚の教えは、戦の技術ではなく“心の戦い方”だった。
そして俺は、少しずつ変わり始めていた。
◇◇◇




