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第505話 雪斎和尚の“心を整える”特訓(1)
模擬戦の翌朝……。
俺は雪斎和尚さまに呼び出され、今川館の奥にある静寂の庭へと案内された。
そこは、風の音すら吸い込むような静かな場所だった。
池の水面は鏡のように澄み、松の枝が影を落としている。
「竹千代さま。今日から《《心の修行》》を始めます」
「……心、ですか?」
「そなたの奇策は見事でした。しかし――心が乱れれば、策は崩れます」
雪斎和尚さまは、石の上に座り、俺に向かって手を差し出した。
「まずは座禅じゃ……。戦場で最も大切なのは、己の心を制すること。信玄公のような大将は、怒りも焦りも恐れも、すべて飲み込んで戦います」
俺は正座し、目を閉じた。
……が。
(足が痺れる……!)
数分で限界が来た。
「雪斎和尚さま、これ無理です……!」
「無理ではございませんぞ。竹千代殿……。そなたはただ、己の心に負けているだけじゃ」




