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第501話 模擬戦編・東海五段陣、初陣(3)
反転の瞬間を狙い撃ち。
敵の隊列が大きく乱れる。
「第五段、撃てぇえええっ!」
最後の一撃が、左右からの騎馬隊の援護射撃となり、敵の中央を完全に止めた。
演習場が静まり返る。
雪斎和尚さまの率いる、今川家の精鋭たちが、驚愕の表情で俺の陣形を見つめていた。
「……これが、竹千代さまの奇策か」
「五段撃ち……反転を読んでいたのか……?」
ざわめきが広がる中、雪斎和尚が満足げに頷いた。
「見事ですぞ! 竹千代殿! これならば信玄入道殿の率いる騎馬隊の“反転”を読むことができ、こちらが痛手を食らうこともなかろう……。長槍隊で足止めの案もでたが、それだと沢山揃えた種子島が勿体ないことにもなるし、我が軍の損害も大きかろうと思われますな。あっ、はははははは」
雪斎和尚さまは、演習の出来に高笑いを浮かべ満足しているようだけれど、俺は緊張が途切れ、肩で息をしながら、演習場を見渡した。




