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第497話 竹千代の未来知識 × 雪斎和尚 × 奇策の原型(3)
「さらに、そなたの西洋のバテレン知識をもう一つ使う」
「もう一つ?」
「《《地形》》じゃよ」
雪斎和尚さまは、地図の一点を指した。
「ここは、信玄公《《好む谷間の道》》……。風林火山の“風”を使うため、風向きの良い場所で《《速さ》》を選ぶ……。ならば――その風を逆手に取るのです」
「風を……逆手に?」
「鉄砲の煙は風に流れる……。信玄公は、他の将よりも慎重で、草を沢山放つ癖がある……。だから武田の間者が直ぐに煙の流れで鉄砲隊の位置を読む。ならば、煙が流れぬよう《《風除けの柵》》をわざと作り。武田の騎馬隊をおびき寄せる……」
「風除け……!」
「そうじゃ! そうすれば! 信玄公は鉄砲隊の位置を正確に確認して、騎馬隊を正面と、背後と二手に分け、回すように信玄公は意図的に動くはず……。だから竹千代殿も、今育てている岡崎衆の騎馬隊を早き事、風の如しで、側面から忠勝殿や榊原、井伊殿をぶっければ、相手が飯富殿や山県殿、真田殿相手でも引けを取らず崩せるはずじゃ……。その瞬間――隊列を組んだ鉄砲隊の五段撃ちが牙を剥く……。そうなれば武田が誇る、騎馬隊の先鋒隊は総崩れになると思わぬか?」




