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第416話 流石静岡、上手いな! (13)
その小さな仕草に、午後の光が柔らかく反射し、まるで時間が一瞬止まったかのようだった。
「いや……なんでもねぇよ」
尋ねれば、何かが壊れてしまいそうで、俺はそのまま胸の奥に浮かんだ答えをそっとしまい込んだ。
この午後の魔法のような時間、この今川館の中庭の静けさも、二人だけの世界を作り出している。
氏真は俺の沈黙を誤解したのか、急に顔を真っ赤にして、軽く俺の胸を叩いた。
ツンとしたその仕草に、俺は思わず微笑んだ。彼女のツンデレな照れ隠しが、午後の光に溶け込んで、二人だけの秘密の時間をより鮮やかに彩っていた。
「べ、別に……。あなたがその子だなんて…… 思ってないんだからね!」
「誰も何も言ってねぇよ」
「言いそうな顔してたのよ!」
「してねぇよ」
「してたの!」
言い合いながらも、 氏真は俺の腕の中から逃げようとはしない。
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