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第415話 流石静岡、上手いな! (12)
午後の陽射しが今川館の中庭を黄金色に染め上げ、柔らかな風が樹々の葉をそっと揺らす。
遠くで小鳥のさえずりが優しく響く中、氏真はゆっくりと俺の胸に手を置いた。
「抱きとめてくれたの」
その言葉に、俺の胸は跳ねた。
まるで過去と現在が交錯するように──高校時代、夕陽の中でボールを蹴っていたあの少女、片思いのマネージャーの姿が重なって見えた。
笑うと、俺まで嬉しくなる彼女の横顔……
名前は思い出せないけれど、確かに存在した。
そして今、腕の中にいるツンデレなヒロイン、氏真の姿が、その記憶とあまりにも重なりすぎていた。
「……氏真」
「な、何よ。そんな目で見ないでよ……」
彼女の頬が赤く染まり、少しだけ俯く。
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