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第408話 流石静岡、上手いな! (5)
あの日の午後、今川館の中庭は柔らかな陽光に包まれ、桜の花びらが風にそっと揺れるたび、時間がゆっくりと息を潜めていくようだった。
今川館内の可愛い花達の花びらはまるで過去の記憶をそっと揺り動かすかのように、空気に溶け込んで舞っている。
俺の胸は確かな幸福感に満たされ、じんわりと温かな感触が心の奥底から広がっていた。
まるで時間そのものが静止し、世界が二人だけのものになったかのような静寂が辺りを包んでいた。
今も、その記憶は色褪せることなく、胸の奥で静かに燃え続けている。
いや、それ以上に、あの時の温もりが今も俺の心を支え、揺るぎない力となっているのだ。
氏真は悪役令嬢らしいツンとした態度を崩さず、照れ隠しのように顔を背けながらも、俺の腕の中で微かに震えていた。




