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俺流の徳川家康はこうだ! 未来を知る俺が尽くすならば、同じ悪役令嬢様ならば織田の姫様よりも今川の姫様の方に使える事にした!  作者: かず斉入道
第3章 駿府の悪役令嬢さま

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第407話 流石静岡、上手いな! (4)

 生前よく見ていた、あの少女の背中──


 リフティングが上手くて、いつも楽しそうにボールを蹴っていた。


 名前は思い出せないけれど、確かに綺麗な子だった。


 その記憶が蘇るたび、足は自然とリズムを刻む。


《ポン、ポン、ポン──》


「……あなた」


 氏真がすぐ側で見ている。


「けっこう上手じゃない」


「そ、そうか……?」


「ええ、少なくとも……」


 一歩近づく氏真。


「わらわの前で、そんなに格好つけるくらいにはね」


「か、格好なんてつけてねぇよ!」


「うそ、顔に出ているもの」


 また氏真の距離が近い。


 その瞬間──


《コロッ》


 先ほどの木鞠がまた転がってくる


「ちょ、危な──」


 氏真の足が取られ、身体が前に傾く。


「うわっ──!」


 反射的に、俺は氏真を抱きとめる。


 華奢な身体が俺の腕の中に収まる。


 驚いた息が俺の胸元に触れる。


「……っ、あなた……」


「だ、大丈夫か……?」


「ええ……でも……」


 氏真は俺の胸に手を置いたまま、ゆっくりと顔を上げる。


 午後の光が彼女の瞳に映る。


「あなた、やっぱりずるいわ」


「な、何がだよ……」


「だって──」


 ほんの少しだけ微笑む氏真。


「こんなふうに抱きとめられたら……。いつもよりも意識してしまうでしょう?」


 俺の心臓は普通の恋愛でラブコメしているように大きく跳ねた──蹴鞠よりもずっと大きく。


 そして気づく。


 ──生前の記憶の少女の背中と、今腕の中にいる氏真の姿が、どこか重なって見えた。


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