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第378話 俺の本命様(8)
あの時の今川氏真は、婚姻の告白を聞いて、背に落ちる夕日よりも赤く染まった頬を伏せ、小声でなぜか今さらの結婚を拒んだ。
俺が真剣に耳を傾けなければ、氏真の呟く言葉は理解不能なほどの小声だった。
「はぁ」と俺は首をかしげ、「氏真?」と呼びかける。
もう一度今川氏真に『今、氏真は俺に何を言ったんだ?』と尋ねようとしたその時……。
「もう、あなただけは~」と。
氏真はさらに顔を真っ赤に染めて。
「あなた~、早く~、こちらへおいでなさい~」
今川氏真は、照れくさそうにしながらも、弟を呼ぶように手招きして俺を誘った。
(お願い)
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