第330話 悪役令嬢様からの問いかけ? (7)
そう氏真姫さまや吉法師姫さまのような《《悪役令嬢さま》》だけが持つ妖艶さ、魅惑、魔性、異性を引きつけ拝みたくなる神々しさが足りない。
二人の姫さまのためならば、死んでもかまわない! 突撃だ~! と。
そのレベルに三人は達していない。
そう世の男達が推し、萌え、崇拝し、拝み奉りたいと思うアイドル的オーラが身体中から溢れていない。
俺はお市姫さまや朝比奈泰朝姫姫さま、井伊直虎姫さま……。
そして|岡崎衆の|酒井忠次《酒井のヤンキー姉ちゃん》や本多忠勝、本多正信姉妹尾張の丹羽長秀姉さまや柴田勝家姉ちゃん、森可成、佐々成政など、麗しい戦国姫武将を多く知っている。
しかし、俺が今のところ、二人のように他の令嬢に魅入られ虜になることはない。
だから俺が《あの時》|今川氏真に告げた言葉は、嘘偽りなく本心からの褒め言葉だった。
しかし氏真の阿呆はいつものようにお約束、テンプレ通りに俺に因縁をつけてきた。
「うそをおっしゃい!」と荒々しく言う。
俺もいつも通り|今川氏真に「うそではございません」と素直な気持ちを伝える。
それでも阿呆の氏真は俺の言葉を認めず。
「うそです~!」と真っ赤な顔で否定する。
それでも俺は、この阿呆にナンパ師だと思われようが、織田信長と甲乙つけがたいほど気に入り、好きで仕方がない。
「本当です」と。
あの日も俺は凝りもせず力強く今川氏真に愛の告白をした。




