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俺流の徳川家康はこうだ! 未来を知る俺が尽くすならば、同じ悪役令嬢様ならば織田の姫様よりも今川の姫様の方に使える事にした!  作者: かず斉入道
第1章 俺は竹千代! 尾張の悪役令嬢さまの許で人質生活をしていました

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第32話 寝所に火縄銃ラックが増設され、訓練はさらに狂気へ。そして運命の日が訪れる

 ◆吉法師姫、竹千代の寝所に【火縄銃ラック】を増設


 その夜……


 俺が煙まみれで寝所に戻ると――障子がまた勢いよく開いた。


「竹千代、入るわよ?」


「ひぃっ!? 吉姉さま!? また来たの!?」


 吉法師姫は、今度は 火縄銃ラック(大型) を抱えていた。


「今日からここ、火縄銃をもっと置くわね?」


「置くなぁあああああああああっ!! 寝所に銃ラック置くな!!」


 吉法師姫は当然のようにラックを設置し、火縄銃を丁寧に並べた。


「竹千代……。あんた、今日の訓練で煙まみれになってたでしょ?」


「なってました!! 死ぬかと思いました!!」


 吉法師姫はいつものように、俺の布団に潜り込み、肩に頭を乗せながら言う。


「だから……。もっと火縄銃に慣れなさい?」


「優しさの方向がおかしい!!」


 吉法師姫はふっと笑う。


「竹千代……。あんたはアーシのものよ?」


 その声はやはり、覇王でも悪役令嬢でもなく――完全に独占欲の塊だった。


 俺は中身がアラサー男なのに、心臓が止まりそうになった。


(尾張……怖い……。でも……なんか……嬉しい……。これ……完全に、俺が生前求めた同居+武装じゃん……。まさに戦国ラブコメじゃん……。吉法師姫はやっぱり、俺の彼女じゃん……)


 俺は、その夜も、寝不足になるぐらい、尾張の悪役令嬢さまに甘えた。



 ◆翌朝:火縄銃訓練、さらに地獄へ


 翌朝……


 俺が寝不足でふらふらしていてもやはり、吉法師姫は性欲強いから、火縄銃を肩に担いで現れた。


「竹千代、今日も火縄銃よ?」


「今日も!? 昨日も死にかけたのに!? 俺、死ぬよ!! 吉姉さま!!」


 吉法師姫は悪役令嬢スマイルで告げる。


「安心しなさい! 今日は《《連射》》の練習よ?」


「連射!? 火縄銃で!? どうやって!? 俺、死ぬ!!」


 そこへ姫武将ハーレムが集まる。



 ◆鬼武蔵、嫉妬で火縄銃を片手で連射



 鬼武蔵は火縄銃を片手で構え、顔を真っ赤にして叫ぶ。


「竹千代!! 昨日も今日も姫さまと寝たんだろ!! 戯れたんだろう!! うちは嫉妬したんだぞ!! 連射するんだぞ!!」


「火縄銃は連射できない!! 構造的に無理!!」


 鬼武蔵は火縄銃を撃ち――


 《ドンッ!》


 《ドンッ!》


 《ドンッ!》


「可成の姉ちゃん!! 弾詰めが以上に速ぃいいいっ!! できてるぅうううっ!!」


 鬼武蔵は反動を素手で受け止めながら叫ぶ。


「竹千代!! うちは嫉妬で強くなったんだぞ!!」


「強くなるな!! 俺が死ぬ!!」


 ◆成政、泣きながら竹千代に抱きついて告白未遂4回目



 成政は火縄銃を抱えて震えていた。


「ひぃいいいいいいっ!! 火縄銃こわいですぅうううっ!! 竹千代くん~~~!!」


 成政は泣きながら俺に抱きつき、火縄銃の銃口が俺の胸に向く。


「いや!! 銃口こっち向けるな!!」


 火縄の火が銃口に近づき――


 《ボッ!》


 煙が上がる。


「ぎゃああああああああああっ!!」


 成政は泣きながら叫ぶ。


「竹千代君~!! うち……うち……す……す……す……」


「す……?」


「す……す……す……す……す……」


「また言えてない!!」


 俺が指摘をすれば、成政は顔を真っ赤にして叫ぶ。


「す……す……す……き……!!」


「4回目ぇええええええっ!!」


 俺の叫びが終われば、いつもの通りで、成政は泣きながら地面に倒れた。



 ◆新介、竹千代を守りすぎて吉法師姫と本気の口論



 新介は火縄銃を片手で構え、吉法師姫を睨む。


「姫さま!! 竹千代君に近づきすぎです!! 撃ちますよ!!」


「撃つなぁああああああっ!!」


 俺が叫ぶと、吉法師姫は扇子を閉じ、ゆっくり新介に向き直る。


「新介……。あんた、アーシに逆らうの?」


「逆らう!! 竹千代君は僕が守る!! 姫さまでも近づかせないからね

 !!」


「……面白いわねぇ?」


 二人の戦姫の目が座るから空気が凍った。


 鬼武蔵が震える。


「新介……死ぬぞ……」


 慶次が笑う。


「面白い展開だな!!」


「二人共~、やめてくれぇええええええっ!」


 俺が二人の間に割って入るから、俺はテンプレ通りに、二人に火縄銃で撃たれ、命からがら逃げる。



 ◆小平太、《《火縄銃ブランコ》》を発明



 小平太は火縄銃を持って跳ね回る。


「竹千代くん!! 新しい遊び思いついたよ!!」


「嫌な予感しかしない!!」


 小平太は火縄銃を木に括りつけ――


「火縄銃ブランコ!!」


「ブランコじゃない!! 銃を吊るすな!! それ無茶苦茶高いんだぞ!!」


 小平太は火縄銃ブランコに乗り、勢いよく揺れながら叫ぶ。


「竹千代くん!! これ楽しいよ!!」


「楽しくない!! 危険!! 危険!!」



 ◆恒興と利家、煙で毎日泣きながらも訓練参加



 恒興と利家は煙の中で今日も泣き叫んでいた。


「もう嫌だぁあああっ!! 煙で目が痛い!!」


「昨日も今日も煙!! 毎日泣いてる!!」


 鬼武蔵が火縄銃を構えて叫ぶ。


「お前ら!! 竹千代に近づきすぎだ!! 撃つぞ!!」


「撃つなぁああああああっ!!」


 俺が鬼武蔵に叫んでも、あいつの嫉妬の八つ当たりだから、二人に向け、弾は火縄銃の銃口から、あの日もテンプレ通りに発射される



 ◆草原は煙と悲鳴と修羅場で満ちた



 あの日も、火縄銃の煙が草原を覆い、姫武将たちの悲鳴と怒号が響き、俺は煙まみれで転げ回り、恒興と利家は泣き叫び、鬼武蔵は嫉妬で連射し、新介は姫さまと衝突し、成政は泣きながら告白未遂し、小平太は新しい遊びを発明し、慶次は二丁持ちで暴走する楽しい日々……。


 吉法師姫は火縄銃を肩に担ぎ、悪役令嬢スマイルで告げる。


「ふふん……竹千代、いいわねぇ! 今日もこんなに争われるなんて、幸せ者じゃない?」


「幸せじゃないです!! 死ぬ!! 俺死ぬ!!」


 俺が真っ青な顔で不満を告げても、吉法師姫は満足げに頷いた。


「でも……竹千代……。あんたはアーシのものよ?」


 あいつはいつも通りに、ツンデレすることもなく、自分の気持ちを素直に告げる。


 それでも俺は、煙の中で倒れながら思った。


(尾張……怖い……。でも……なんか……楽しい……。これ……完全に戦国ラブコメじゃん……。修羅場ハーレムじゃん……。そして今度は銃じゃん……。俺……。このまま尾張で過ごし、生涯を終えるのもいいかもしれん……。その方が幸せになれるかもしれん……)


 俺はいつの間にか、尾張の悪役令嬢のおもちゃと化す生活も悪くはないと思い始めるのだった。


 ◇◇◇


 ◆そして――運命の日が訪れる


 そんな狂気と笑いに満ちた日々が続いたある朝……。


 尾張の空気が――ふっと変わった。


 家臣が駆け込んできた。


「姫さま!! 今川の姫君が――。尾張に到着されました!!」


 草原の全員が固まった。


 吉法師姫の笑顔が、ゆっくりと悪役令嬢のそれへ変わる。


「……来たわねぇ……竹千代を取りに来た“あの女”が」


 鬼武蔵は槍を握りしめる。


 新介は火縄銃を構える。


 成政は泣きながら俺に抱きつく。


 小平太はブランコから飛び降りる。


 慶次は豪快に笑う。


 恒興と利家は震える。


 そして俺は――


 前世の《《俺が知らない歴史》》に対して心臓が止まりそうになった。


(ついに……来た……。戦国ラブコメ最大の修羅場……。今川の姫さまがなんで……? 俺の未来の本命は《《築山殿》》のはず……。なのに、なんで今川氏真が吉法師姫と激突するわけ……?)


 尾張の空気が震えた。


 戦国最大の修羅場が、今始まる。



 ◇◇◇


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