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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

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金色の狼

「っ!? 壁破壊ニキか……!」


『ニキさん!?』


『マジか』


『なにかと縁あるね』


『助かる!』


 やがて炎のブレスが止む。

 新たな敵の出現に、金色の狼は影山を警戒するようにじっと見定めた。


「グルルぅ……」


 狼は影山を恐れるように、じっと後ずさる。

 その様子に、ユーマは息を飲む。


(あんな挙動、さっきはしなかったのに……ちっくしょう、あの狼。俺を舐めてんのか?)


 悔しがるユーマをよそに、影山は靴に魔力を送って高速飛行。

 透視スキルを起動し、ベーシックマガジンで弾丸を放った。


「ゴオォオォォ!」


「っ、速い……」


 空を飛んでいる影山めがけて、金色の狼がジャンプで飛びついてくる。

 攻撃を中断して、横へ跳んだりしてそれらを回避していく。

 大きい狼が勢いよく飛んでくる映像は迫力があった。

 そして飛びつかれる影山としては、毎回が綱渡り状態の戦闘となる。

 金色の狼のパワーで被弾するのは避けたい。ユーマのように、すぐさま大ダメージを負う状態になるだろう。

 いや、下手をすれば即死だ。影山のレベルはまだ19。耐久には自信がない。

 突破口はやはり透視スキル。

 だが――その透視も、戦闘の果てに制限時間を過ぎてしまった。

 結果、1か所も当てることが出来ない。

 金色の狼の動きは早く、豪快なのだ。

 上手くポイントへ当てられない。

 ウォールブレイカーによる射撃はきちんと効いている。ダメージは着実に蓄積されていた。

 だが、反応的に微々たるもの。

 金色の狼の耐久は高く、すぐに倒れることはない。持久戦になるだろう。

 そして靴の魔力などを考えると、長引かせられるのは不利になる。

 決定力不足であった。


『まずいな』


『人手が足りないか』


『いやでもこいつ、Dランク帯が相手できる強さじゃないぞ』


『でも、ニキだけじゃ分が悪い』


「さて、どうしようか……」


「俺が引きつける!」


「ユーマ!?」


 ユーマが氷の剣で金色の狼を一閃すると、狼は怒ってユーマを追いかけた。


「隙をつくるから、トドメは任せたぜ!」


「で、でも、そんなケガじゃ危ない」


 ポーションを使ったようだが、最低限の治療しか出来ていない。

 それでもユーマに迷いはなかった。


「なんとかするんだよ! そこで見とけ! あとこの狼に舐められっぱなしなのは、腹立つからな! 見返してやるぜ!」


 金色の狼に何度か体当たりや足を振るわれるも、ユーマはボロボロの体でそれを回避する。

 カウンターはせず、守りに全力を注いだ。

 ダメージによってユーマの動きは悪くなっているので、ギリギリの戦いになる。

 影山は何度も手助けしたくなったが、ユーマの決意を尊重してチャンスを待った。

 やがて――狼が大振りになり、わずかにバランスを崩した瞬間を狙い、ユーマは氷の剣を地面へ突きたてた。


「いくぜ――アブソリュート・ゼロ!」


 ギギギギギ! という鋭い音と共に、地面が凍っていく。

 その突き立てた刃から広がり、氷は金色の狼の足元へ。


「グルっ!?」


 足元が冷たくなったと思った瞬間、その感覚はすぐさま激痛へ。

 金色の狼の四つ足は、地面へ縫われるように氷づけとなった。


「グオオオオオオ!!!」


 金色の狼が大きく吠える。バギバギバギ、と氷に亀裂が入った。

 ユーマは叫ぶ。


「今だ、壁破壊ニキ! 長くはもたねーから、急げ!」


「ありがとう!」


 影山は高速飛行して距離を詰め、透視スキルで見た“線”を斬る。

 まずはお腹。次に背中。

 素早く大ダメージ付与を斬っていく。

 ザシュ! すぱんっ! と鋭い一閃が走るたびに、金色の狼は苦痛の叫び声を上げた。

 そして最後の大ダメージ付与の箇所――額へ向かう。

 だが、前へ回り込んだ瞬間。

 真っ赤な炎が、眼前に迫った。


「っ!?」


 金色の狼のブレスだ。

 回避も、防御も間に合わないタイミングで吐かれた。

 しかも近距離。


「やだっ――ニキさん!!!」


 モニターの前で、朝日が悲痛な声を上げる。

 これはまずい――そう思ったが、炎は影山の元へはたどり着けなかった。

 現れたのは、地面から伸びる氷の厚い壁。

 ユーマが絶好のタイミングで、氷の魔法を放ったのだ。

 炎は氷の壁に阻まれる。


「ユーマ、助かった!」


「おうよ、いってこい!」


 さらに上へと飛び、金色の狼の頭上へ。

 兜割りの動きで、ウォールブレイカーの先端を突き立てる。

 鋭い金色の刃が肉を貫いた瞬間、金色の狼は背中を仰け反らせた。


「ぐっ、オォ……」


 絞るような鳴き声を上げ、ピタリと制止。

 やがて力尽き、バタン、と大きな音を立てながら倒れた。

 その体が光となって消えていく。しゅた、と影山は地上へ着地した。


「ふう……なんとかなった」


 2人の力で掴んだ勝利に、コメント欄は祝福の声に溢れた。


 『――影山 光のLVが20へ上昇しました。HP+35 MP+12 攻撃+13 防御+14 魔力+13 精神+14 俊敏+19』


 影山 光 LV19→20

 HP 334→389

 MP 134→145

 攻撃 131→144

 防御 148→162

 魔力 132→145

 精神 146→160

 俊敏 228→247

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