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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

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推しと初デート 1/3

「え、ええっと、変なところ、ないよね……」


 影山と出かける当日のお昼。

 朝日は部屋にある姿見に映る自分を、入念にチェックしていた。

 白いフリルブラウスに、白のキャスケット。ピンク色のミニスカートに、黒のソックス。

 可愛らしい顔立ちと良好なスタイルもあって、目を惹く美女となっていた。


「よし! じゃあ影山さんへ会いにいくからね! いってきます、影山さん!(?)」


 朝日はそう言って、壁破壊ニキのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたあと、それをベッドの上へ戻す。

 玄関へ行き、タワマンのエレベーターを降りていった。

 1階のラウンジへと行くと、先にソファで影山が座っている。


「影山さん! やっほ~」


「どうも」


 影山は黒のトップスに、ブラウン色のズボンで、なぜか丸眼鏡をかけていた。


「あれ? 影山さんって、目悪いの?」


「いや。顔出ししてるし、変装と、あと目立たないようにって」


「あ~……そうなんだ! 似合っているよ!」


(目立たないは無理だと思うけどな~。と、というか、眼鏡姿かっこいい……!)


「朝日ちゃん、なぜに無言で俺を撮影した?」


「はっ!? ご、ごめんなさい! つい! そして保存させてください!」


「まあ、いいけど……?」


 イケメン化してしまった影山がかける丸眼鏡は、オシャレアイテムとなっている。





 朝日いきつけのカフェへと入った。

 テナントの2階に設置されていて、1階はファーストフード店だ。

 クラシック音楽をBGMとする落ち着いた雰囲気で、窓際の2人用テーブルへ案内された。

 窓から見えるのは、駅前を行き交う人々。

 エビピラフが美味しいというのでそれを注文。

 若い女性の店員が厨房へと引っ込むが、明らかに影山をチラチラと見て、朝日を査定するように見た。

 とりわけ視線を集めるのは影山で、朝日も釣り合う外見なので、美男美女カップルといった感じの印象になっている。

 しかし影山は内心であたふたしていた。


(なにか変ではないだろうか……というか、会話しないと。でも、下手なことを言ったらまずいのだろうか。蛙化現象とかよく言うよな。うーん、でもどうしたらいいのかよくわからない。俺が喋ってもつまんないんじゃないだろうか)


 頭の中でグルグルと考えが回ってしまう。

 女の子とデートするのは初めてだ。

 そして相手がいきなり、自分にとっての推しなのだから、動揺してしまうのも無理はない。


「影山さん、フォロワーがついに100万人突破してたね~。この間のホラーエリアが好評だったみたい! 勢い止まらないね!」


「え? ああ、そうだな……」


「視聴者さんにお礼言わないとね~。あ、この間趣味ないって言ってたけど、見つかった?」


「配信見ることかな……ハマってることは……」


 この間見つけたVtuberのアーカイブを片っ端から漁っていた。

 もうこの子の更新がないと思うと、心底がっかりもしている。

 なぜ自分の推しは早くにして引退するのだろうかと、そんなことを思ってしまった。

 そしてなにかを察したのか、朝日はむ~、と頬を膨らませる。


「また夜遅くまで見てるんだ……」


 よくわからない圧力を感じて、影山は首を横に振る。


「そ、そんなことはない」


「ふ~~~~~ん」


 ぷいっ、と朝日はそっぽを向く。

 だけどすぐに、別の話題を口にした。


「あ、そういえば。ユーマさん、まだエクストラ・モンスターと出会えてないって。影山さん、見ている?」


「うん。もういなかったりしてね……」


「それはありえそう~。この間見たけど、全然でなくて、視聴者さんに“やっぱもってないな”“うーん、これは元キング”なんて言われてたよ」


「書かれてたね」


「でも、視聴者さんと距離近いのが、ユーマさんの良い所なのかもね~」


 そんな会話をしている間に、エビピラフが運ばれる。

 バターとスパイスの良い香りが食欲を刺激した。


「いただきます」


「私のオススメですっ」


 ぱくりと食べると、パラパラしたライスの食感とエビのプリプリ、そして野菜の旨味が口の中で広がっていった。

 お米にしっかりとコクのある風味が染みていて、スプーンを動かす手が止まらない。


「たしかに美味しいね。通いたくなる」


「でしょー!」


(今日も太陽のように眩しすぎる推しの笑顔……尊い……)


 影山は今も、朝日に救われていた。


(良い恰好しようと思ったけど。色々考えすぎなのかも)


 配信などで一緒にいる時間が多い仲だ。

 いつも通りな感じでいようと思った。

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― 新着の感想 ―
面白くて一気読みしちゃった。 のんびり更新待ち。
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