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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

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推しの正体

 15時。行き止まりの通路に、宝箱があった。


「ん?」


『おっ』


『宝箱だ!』


『ついにゴールか』


『意外と早かったな』


 だが、朝日が解析結果を告げる。


「ニキさん。モンスターの反応があるから、宝箱に擬態したミミックだよ」


「これがモンスターなのか……」


『解析はやっ』


『ミミックか。残念』


『憎たらしいことに、倒してもただの魔石落とすだけだしなぁ。普通のモンスターと変わらん』


「倒せるかな」


「スケルトンと同じくらいの魔力だから、特別強いわけじゃないと思う」


「じゃあ倒そう」


 影山は透視スキルを起動。

 青白く光った瞳で、ミミックの“線”と“点”を見抜く。

 少し後ろに下がりつつ、ウォールブレイカーを構えて箱の真ん中にある“点”をベーシックマガジンの弾丸で撃ち抜く。

 ずどんっ! という音と共に、大ダメージ付与が発動。

 ミミックはなにもできず、魔石へと変わっていった。


『草』


『奇襲する側のミミックが奇襲されてるw』


『しかも一撃』


『びっくりしたやろなぁ……』


 そしてミミックは予測通り平凡なモンスターで、魔石を落としただけであった。

 うっかり近づけば不意打ちをされるいやらしいモンスター。

 だが、解析で見抜かれればただの的であった。


「進みますか……」


 分岐点にまで戻り、無言で進んでいく。

 地味な絵面が続く迷路であった。

 モンスターの出現頻度も、高いわけではない。

 それでも接続数を確認すると、39802を記録している。

 スタート時よりもかなり伸びていた。

 他の配信では見られない未開のエリアの探索、というのが注目されるのだろう。

 なにか雑談でもして、視聴者を楽しませた方がいいだろうか、と考える。

 コメント欄を見ると、例の動画の影響なのか、壁破壊二キの推しの正体について言及するものが見受けられた。


『ニキの推しの正体って、Vtuberのあの子で合ってるの?』


『なんか動画上がってバズってたな』


『壁破壊ニキ本人が明かしてないんだから、そっとしてやれや……』


『オペちゃん説を押していきたい』


『ニキ様オペレーター男に変えて』


『コラボしてほしい』


『もっとパーティー組んでほしい』


『ニキは基本、ソロやで』


『毎回こういうコメント湧くよな』


『新規多いからなぁ』


「推しの正体は内緒です」


『お、コメント読んでくれた』


『だよね』


「本人に迷惑かかるかもしれないので」


 朝日は内心でドキドキしていた。


(わ、私のことを話している……ドキドキ)


『でも正直、オペちゃんが正体だったとしたら、見つけられる気がしない』


『違いない』


『絶対バズってない』


『可愛い声だけど、特徴ないよね』


『マイナーな配信者推してたパターンか』


『そういう人って距離が近いというか、親近感湧くもんね』


『センターには絶対いけないけど、一定のファンはいるアイドル的な』


『的確な例えだなぁ』


 バンバンバン! と、朝日はマイクが拾わない程度に台パンした。

 バズらない声というのが彼女には一番に効いた。


「朝日ちゃんはとっても魅力的ですよ。特徴ないとか言わないでください」


 と、影山がそんな抗議をする。


『すいません』


『まあ、言い過ぎたかな』


『すまんな、オペちゃん』


「はっ!? い、いえ、そんなに気にしてないので!」


(きゃ~! 影山さんが守ってくれた~! そういうところも推せますありがとうございます~~~~!!!)


 朝日ちゃん、大盛り上がりである。


「……まだ迷路は続きそうですね。時間かなり経過したので、戻ります」


 影山はそう宣言して、マッピングをした朝日の指示に従い迷路を出た。

 罠だらけの地下エリアといい、今回の隠しルートは中々に手応えがあるなと思った。

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