表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
75/113

運命の赤い糸?

『レベル2つも上がった!?』


『まあ、強かったもんな』


『宝箱、なにが入ってるんだろ』


 トレントの魔石を回収した後、宝箱を開ける。

 ギギギ、という音と共に開くと――底に小さな、金属があった。


「……指輪?」


 指を通せるほどの輪で、竜の頭が描かれているデザインだ。

 RPGでいうアクセサリーのような、ステータスアップなどの効果が現れるアイテムが手に入ることがある。

 おそらくこの指輪も、その類なのだろうと影山は考えた。


『装備品かな』


『おお!』


『未開エリアの宝箱……!』


『絶対すごいやつじゃん』


『はめるなよ』


『呪われたり、トラップつきのがあるから、鑑定に回してから!』


「わかりました」


 前回のオリハルコンのような、なにか圧力を感じるものはない。

 今のところは、ただの指輪であった。

 アイテムボックスへ収納した後、罠フロアへ戻り、地上へ出る。


「それでは、今日もお疲れ様でした」


『おつ!』


『またね』


『ニキ様、おつかれ~』


 ドローンも回収し、外へと出ると――扉の前で、ばったりとユーマと会った。


「お? なんか、お前とはすげー偶然会うな。赤い運命のなんたらってやつだったりしてな」


「えぇ……」


 影山がジリジリと後ずさる。


「だから、そんな警戒しなくていいだろ! マジで偶然だし! 色々あったのは知っているが、さすがに自意識過剰だぞ!?」


(いや……赤い運命発言にドン引きしただけだが)


 ユーマファンがネタにしているホモ説がよぎった。

 世の中には両刀がいる。

 そういう人じゃないという可能性は、ゼロじゃないだろう。

 しかし影山はノーマルなので、しっかりと距離をとった。


「せっかく会ったんだしよ、メシでも一緒にいかねーか?」


「そういう作戦か……」


「どういう作戦だよ!?」


 ユーマには助けてもらった恩がある。

 正直人見知りは発動しているが、あまり無碍には出来なかった。


「まあ……ごはんくらい、いいけど」


「おし。じゃあ、決まりだな」


 そんなわけで、勢いでユーマと夕食を摂ることになった。





 協会で手続きを終えた後、外へ出る。

 ユーマは堂々としていたが、影山は黒い帽子を目深にかぶっていた。


「なにコソコソしてんだよ」


「……顔を出すと、声をかけられるんだ」


「マジか。ファンとかか?」


「ファンはまだないけど、この間スカウトされた……」


「へー! まぁでも、そういうのあるよな。俺もお前ほどじゃないけど、ダンジョンで顔が良くなったパターンだしよ。逆ナンされたことあるぜ」


「そうか……」


「なんつーか、変わってんな」


「え?」


「普通は喜ぶもんだぜ? 女の子にモテモテ。やろうと思えば、今のお前は遊び放題の身分だ」


「そうだな……」


「なぜテンションが下がる?」


 ユーマに連れられて入った店は、うなぎのお店だった。

 格子戸(こうしど)を開けると、炭火による良い香りが2人を迎えた。


(高い店だよな、きっと……)


 影山は黒い帽子を深くかぶり直しつつ、そっと値段表を確認した。

 ユーマに勧められたのは二段重であった。


(二段重、九千円……)


 月収二十万の元・社畜にとっては、お高い値段だ。

 今となっては注文しても問題ない収入だが、身に染みた庶民が、金額を気にしてしまう。

 注文を終えると、ユーマが水を飲んで一息。

 帽子は脱ごうと思い、影山はそれをカウンターに置いた。

 店内の客はそれぞれ食事に集中しており、誰もこちらを気にしていない。

 店員も影山へ注目することはなかった。


(案外、落ち着くことができそうだな)


 しばらくすると、注文したものが運ばれてきた。

 おぼんに乗るのはお吸い物と、漬け物、そしてメインの二段重だ。

 焼きたてのうなぎの香りと、ごはんのホカホカとした湯気。

 箸でパクリと食べると、タレの旨味が口内を走る。

 柔らかいのに身が厚い。これが二重で楽しめる。

 甘く粒の整っているお米も最高で、うなぎと共に高め合う最高の相性だ。


(うまっ)


 空腹な胃袋へ美味い食べ物が流れる、幸せな瞬間。

 こういう贅沢も良いなと、影山は思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ