LV15
翌日の10時。
少し眠気の残る頭で体操をしつつ、配信を開始した。
『きちゃ』
『おはよう、二キ!』
『おっすおっす』
『フォロワー60万人突破おめ!』
『勢いすごいねぇ』
『近い内に100万突破するだろうね』
「ありがとうございます」
影山は短く言って、移動を開始した。
「ニキさん、ちょっと眠そう。昨日の夜なにしてたの?」
『それ私も思った』
『女の匂いがする』
『オペちゃん声低いんだが』
『なんか初手修羅場で草』
『お? 浮気か?』
影山は飛ぶように走りつつ、首を横に振った。
「ち、違うよ。ちょっと動画を見ていただけで」
「ふーん。いいけど~、べつに」
『ニキ様怪しい』
『ニキ、新しい推しが出来たりして』
『まあ、前の子引退したって話だしなぁ』
『乗り換えか……』
(ち、違うよ。引退の在庫セールのグッズポチったりしたけど、違うよ)
冷や汗をかく影山。
そして昨日と同じポイントへ到着し、床を破壊していた頃、コメント欄に別の動きが出た。
ユーマ『おつかれさまです』
『うわぁ……』
『必死すぎ……』
ユーマ『あいさつしただけだろ! べつに勢いあるやつの配信に顔出して、登録者伸ばそうってわけじゃねーよ!』
「ユーマ、おはようございます」
あいさつしつつ、罠を突破して進んでいく。
ユーマ『アーカイブも見たが、本当に規格外なやつだな……』
ユーマ『レベル10超え出すと、上がるのに時間かかるのになぁ』
ユーマ『上昇値10超えがコンスタントってのも、初めて見るし』
『すごいよね』
『まあ、最初が低かったから』
『努力の結果!』
『二キ様が頑張り屋だからです♥』
『戦闘経験や肉体鍛錬が関係するとも言うしね』
影山が罠を起動させ、華麗に狩りを始めていく。
動きに慣れたこともあって、ズバズバと流れ作業のようにタトゥー・バジリスクを倒していく。
その光景にユーマはため息をついた。
ユーマ『俺も頑張るか……配信しねぇと……おつ』
『萎えてて草』
『がんば』
連日同じ狩りだと視聴者が減るかと思ったが、同時接続数は27850。特に落ちているわけでもなかった。
しかしレベルアップのペースは急激に落ち、1回で3体撃破しているハイペースだが、アナウンスが告げられたのは16時であった。
『――影山 光のLVが15へ上昇しました。HP+26 MP+10 攻撃+11 防御+12 魔力+11 精神+12 俊敏+15』
影山 光 LV14→15
HP 189→215
MP 81→91
攻撃 74→85
防御 86→98
魔力 75→86
精神 84→96
俊敏 147→162
「……あれから強くなったので、奥のボスに挑んでみます」




