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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

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壁破壊ニキ、浮気する

 ウォールブレイカーレプリカの報酬金として、4620万が口座に振り込まれた。


(配信でちょっと振っただけだが……)


 夕食を適当にとった後、ソファに座って机の上に置いたノートパソコンを開く。

 朝日にはああ言ったが、やっぱり他のダンジョン配信者を調べようと思った。

 しかしその前に携帯の通知を確認する。

 そこにはなぜか、大量のメッセージが届いていた。


『最近、元気か? 飲みにでもいこうぜ』


『デカいの当てたな。やるじゃん。今度みんなで焼き肉でもいこう』


 前の会社の同僚や先輩が、やたらとこんな誘いをしてくる。

 もちろん、全部無視だ。

 影山をチー牛と呼び、あざ笑っていた連中ともう関わりたくはない。


(というか、ネオファンが会社に慰謝料請求しているのに、呑気だな……)


 イノファリオの経営は火の車になることだろう。

 影山をご飯に誘っている暇があるなら、転職の準備をした方がいい。

 さらにはこんなメッセージも来ている。


『覚えているか? ○○校の俺だ。友達だったじゃん?』


『お久しぶりです。最近調子が良いようですね。ところで、良いビジネスの話があるんだけど、今度会えるでしょうか?』


 学生時代の知り合いである。

 これもそれなりの数が来ていた。

 だいぶ顔が変わっているのによく見破れたものだが、当時の面影はあるので、一部の人間にバレたというところだろう。


「色んな人が集まるようになったな……」


 正直、ここまで来ておいて、まだはっきりとした実感があるわけではない。

 自分が特別な人間、という考えもなかった。

 だけど、有名になった、力はついたという自覚は持つべきだと思った。

 現にリア凸事件が起き、上司襲来事件が起き、そして今みたいに知り合いヅラして近づく人間が増えている。

 身構えないと、他人に利用されてしまうだろう。


「ん?」


 動画サイトを検索すると、壁破壊ニキ関連で急上昇している動画ある。

 タイトルは“壁破壊ニキの推し、判明する!? その意外な正体!”。


「まさか朝日ちゃんがバレ……いや、違うなこれ……」


 サムネでわかった。

 目のところが黒い線で隠されているが、女の子のVtuberなのだ。

 だけど動画の内容は気になったので、見てみる。

 編集がしっかりしていて、とても見やすい動画であった。

 いわゆる騒動のまとめ系チャンネルで、登録者は80万人を突破している。


「引退のタイミングが被っている上、辞めた理由が冒険者関連の某メーカーへ就職すると明言している……なるほど。これは勘違いされてもおかしくない」


 だが、動画の最後にはオペレーターの女の子が元・推しなのではないか、と鋭い意見も出ていた。

 視聴者の中にも、そういった意見が出ているらしい。

 しかし過疎チャンネルだけあって、冒険者時代の朝日ちゃんが話題に上がることはない。


「やっぱりこういうのって、知りたいものなのか」


 そう思いつつ、なんとなく、紹介されていたVtuberを見てみる。

 すでに引退しているのでアーカイブのみだが……ぼそりと呟く。


「可愛いなぁ」


 どうやら影山の好みだった模様。

 というか、朝日と同系列のタイプであった。

 明るくて前向きだが、ドジなところがあったり、同じミスをしたりする。

 そしてとっても努力家であった。


「これはずっと見てられる……推せる……」


 視聴は深夜まで続いた。

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