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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第二章「ネオファンキング、誕生」

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タトゥー・バジリスク(仮)

「ボスかな」


「そうだと思う。ぶ厚い扉の向こうに強い反応がある……Dランク相当。でも、この階層は地上より魔力濃度が高いから、トレントより強い可能性があるよ」


 影山は前回のトレント戦を思い返す。

 あの時は、ただ必死だった。

 ステータスが足りず、力負けし、床破壊という偶然に救われた。

 あれを勝利と呼んでいいのか。

 胸の奥に、わずかな悔しさが残っている。


「あとね、扉の手前を曲がったところにもフロアがある」


「そこには?」


「床にスイッチ。高密度の魔力が一点に集まってる。反応パターンからして……Dランクモンスターを一体ずつ生成する罠だと思う」


『押したら敵が出るやつ』


『危険度高いな』


『これは撤退かな』


『でも、ここまで来て帰るのは惜しい』


 影山は短く息を吸い、決断した。


「罠フロアに行こう。Dランクなら戦える」


「気をつけてね。地上の個体より強いはずだから」


「うん」


『マジで行くのか』


『考えているニキ様の横顔、素敵♥』


『正面も好きっ』


『解析できるの便利やなぁ』


『未開エリアだと、かなり助かるね』


 通路を進むと、朝日の言った通り、巨大な石壁が静かに佇んでいた。

 右へ折れ、薄暗い通路を抜けると、丸いフロアが広がる。

 どことなく、空気が重く感じた。


「……お」


 がこん、と右足の下が沈んだ。

 直後、フロア奥に赤い魔法陣が浮かび上がる。

 魔力が弾け、その姿が現れた。


「シャアアアァァ!」


 体長2メートルほどの、爬虫類系モンスター……バジリスクであった。足が6本ある、トカゲに似た外見である。

 皮膚の色は灰色だ。

 特徴的なのは、背中にタトゥーのような、青い模様が刻まれているところ。

 バジリスクは6本の足を力強く踏み込み――前へ飛び出た。

 そして距離を素早くつめると、バジリスクの口から紫色の毒性の液体が吐き出される。


「また毒か」


 影山は後方へ跳び、ギリギリで回避。

 ドロリとした液体が床に落ち――ジュウウウウゥッ!!

 白い霧が立ち上がり、石床が削れる。


『こっわ』


『毒の色がヤバい』


 バジリスクが肉薄する。

 影山は一回、また二回と最小限の動きで回避。

 大振りになった瞬間――前へと踏み込む。


「透視スキル、起動」


 瞳が青く光る。

 バジリスクのアゴの下――首筋に“線”と“点”が見えた。

 大ダメージ付与。

 影山はウォールブレイカーを素早く一閃し、その“線”を斬った。


「シャッ!?」


 斬撃が走り、バジリスクの体が跳ね上がる。

 次の瞬間、崩れ落ちて、魔石へと変わっていった。


『お見事』


『動きが洗練されてる』


『達人や』


『戦っている姿、素敵すぎて濡れちゃいます♥』


『下ネタやめれ』


『にしても、見たことない見た目のバジリスク』


『未発見モンスターっぽいな』


「データベースと照合しましたが、該当なし。未発見モンスターです」


 影山は魔石を回収したあと、キョロキョロと辺りを見渡しながら、落ち着きなく歩きまわる。


『ニキ、どうした』


『無言で歩き回るの草』


『ニキ様?』


「あった」


 がこん。

 ためらいなく、スイッチを踏む。

 バジリスクが一体出現。

 さらに影山は――もう一度、スイッチを踏んだ。


「「シャアアアアアア!!!」」


 2体同時出現。


『は!?!?!?』


『なんで押した!?』


『2体はアカンて!!』


 影山はウォールブレイカーを構え、静かに言った。


「押せばモンスターが出る。好きなだけ戦える。……ここは、ボーナスフロアだ」


 その声音には、恐れよりも――成長を求める意志が宿っていた。

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― 新着の感想 ―
危なげなく倒せるならボーナスステージで間違いないなw
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