罠だらけの隠し通路
「この間狩ったブラックバードの素材を使って、靴に飛行能力が追加されたので、それを使います」
『飛行!?』
『しれっとS級素材レベルの話が出てきたんですが……』
『あのブラックバード、そんな素材落とすのかよ』
『落とすのはフンだけじゃなかった』
『ウ○コの話はやめなー』
『二キ、ブラックバード狩るだけで金持ちになれる……』
だが、ここで朝日が補足を入れる。
「ただ、一昨日追加したばかりの機能なので……二キさん、無茶はしないでね」
「うん。わかっている」
試運転した時、最初の方は上手く扱えず、壁に激突したりするレベルであった。
それでも練習はしてきた。
感覚をもつかめている。
(空中を駆けるように。靴の魔力で足場を1つ1つ作るイメージ……)
影山は頭の中で考えながら、足元へ魔力を送る。
靴は魔力を帯びて、黒い炎をまとっているかのようだった。
『ドローンでもう少し様子を見た方がいいのでは』
『ためらいなく突っ込むなぁ』
『撃ち落とされたら毒沼まっしぐらだぞ』
「これ以上時間かけたら、床が元に戻ってしまうので。リスクはありますが、いけると思うので、いきます」
空いた穴へ向かって、大胆にも飛び込む。
発生する浮力を使って、空を駆けるように飛行する。
『はやっ!?』
『飛行スピードえぐっ』
『これなら当たらない!』
『いやでも、飛ばしすぎでは!?』
『かなりの魔力を消費する勢いだろ、これ』
『ニキ、いうてまだレベル10だから、キツイ気が……』
大きなトンネルの穴へ近づくと、先ほどと同じ触手が現れた。
勢いよく発射される針。
横へ素早く駆けて回避し、透視スキルを発動させた。
(よし、見えた)
ダンジョンのギミックである、触手にも“線”と“点”が見えた。
ウォールブレイカーを構え“点”へ向けて引き金を引く。
発射された金色の弾丸は、触手へ命中。
風船が弾けるような音と共に、触手が消しとんだ。
影山はすたり、と華麗に着地。
『おおおお!』
『さすが!』
『二キ様、無事でよかった~!』
「なんとか、なりました……」
言い終えた途端、視界がぐらりと揺れた。
額から汗が噴き出し、呼吸が荒くなる。
靴の黒い炎が大きく揺れて、消えていった。
『二キ!?』
『どうした』
『顔色悪いぞ』
『毒当たってた?』
影山の額からは汗が噴き出て、呼吸がひどく乱れていた。




