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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する【更新休止中】  作者: 音有五角
第一章「ダンジョン配信者、影山 光」

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2戦目。透視能力について考える。

 二体目のスライム。初戦闘と比べると、影山の動きには明らかな安定感が生まれた。

 スライムの動きは単調だしわかりやすい。

 動く前にはべこっと身体が歪み、変形する予備動作が、どうしても発生する。

 それさえ理解し、見切れれば怖い相手ではない。

 そして影山は、飲み込みが早かった。

 まだ素人らしい無駄は多い。だが丁寧に回避し、ナイフの攻撃も当てられているため、戦えている。

 ただ、課題もある。透視スキルが、上手く扱いきれないのだ。

 先ほどは偶然“線”を一発でなぞれたが、動く相手の弱点に細い刃を当てるのは難しい。

 しかもチャンスが少なく、見えるのはたった1秒。

 さらに影山の感覚では、透視を発動している状態でないと、”線”に効果が出ないように思えた。

 スキルレベルはまだ、1。進化の余地はある。

 上がれば扱いやすくなるのだろうが、今はダメだ。

 その結果。2戦目は、14回という攻撃を重ねての撃破となった。


「……はぁ、はぁ」


 岩に背を預けつつ、影山は肩で大きく息をした。

 安定して戦えた内容だが、疲労は一戦目より強い。


『さっきより動き良かったですね! 時間はかかりましたが』


 たった1人の視聴者のコメント。

 情けない戦闘内容だが、飽きずに見てくれているようだが。

 影山は返事をした。


「透視スキルの“線”に、狙った場所へナイフが当たらないんです」


『たまに目が光ってましたね。その時に脆い所である”線”が見えるんですか?』


「そうです」


『当てやすい武器を探すのはどうですか? 例えば、打撃は? 細いナイフよりやりやすいのでは』


「……なるほど」


 他の武器でも有効なのかは、検証していない。

 そうなると、打撃でも弱点を突ける可能性があるということだ。


「試しに、次は素手で挑んでみます」


 もし拳でOKなら、話が広がる。棍棒などの打撃武器も有効だろう。

 武器の面積が広いし、細いナイフより当てやすいかもしれない。

 そう考えてナイフをしまうと、すぐにコメントが打たれた。


『えっ、スライム相手に素手で挑む気ですか?』


「打撃武器なんて、今はないですし」


『攻撃力1で素手縛り(笑)普通ならただの舐めプですよ』


「でも、透視スキルとして試したいんです」


『じゃあ固定コメントつけた方が良いですね。“ユニークスキル検証のため素手で戦ってます”って感じでしょうか』


「え?」


『素手縛りは過激な危険系ダンジョン配信者の定番なので、コメント欄が荒れるんですよ』


 危険系――いわゆる迷惑系に近いタイプで、わざと危険な状況を作って視聴者を稼ぐというやり方だ。

 当然、あまり良いことではない。

 勘違いされるのは、たしかに都合が悪いだろう。


「わかりました。書いておきます」


 固定コメントを入力していく。


『それにしても、動きの上達が早いですね。何か運動してました?』


「いえ……ただ、仕事で体は動かしていました」


 アルバイトで済むような作業を、残業で押しつけられるのは定番だった。

 休憩ほぼなしで十時間以上の肉体労働という日もある。

 マイナス10度の冷蔵庫で、重い荷物を延々と運ばされていた。


(嫌なこと思い出したな……)


 気分を切り替えようと考え、影山は立ち上がる。

 次のスライムを探し始めた。

本作の閲覧ありがとうございます。


もし内容がよろしければ、★★★★★評価・ブックマークをいただけると、とても助かります。


何卒、よろしくお願いします!

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