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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第一章「ダンジョン配信者、影山 光」

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マジカルゴブリン

 ボスフロアがいるエリアの近くは、雰囲気が変わっていった。

 土壁の色が少し黒くなり、空気が張り詰めている。

 そして道の先に――杖を持った緑色のゴブリンが2体現れる。


「ゴブゴブっ」


 マジカルゴブリン――ゴブリンと基本的なスペックはあまり変わらないが、魔法攻撃をしてくるので、危険性はこちらの方が上になる。

 マジカルゴブリンはさっそく、杖をかざして水の玉を放ってきた。


「……」


 影山は水の玉をよく見ながら、横へ跳んで回避。

 土床へ、ぱああああんっ!!! と、凄まじい水圧を感じさせる、重々しい音が広がった。


『初心者最初の関門として定番ですね』


『あの水魔法威力高いから気をつけて』


「わかりました」


 影山はマジカルゴブリンへ接近しつつ、透視スキルを発動。

 青く光った瞳で、マジカルゴブリンの“点”と“線”を見た。

 同時に、持っている杖にも弱点が見える。

 マジカルゴブリンの急所は“胸”。

 おそらくここを狙っても、杖でガードされる。

 そう簡単に、急所を狙わせてはくれないだろう。


(なら、まずは杖を壊す)


 影山が走りながら、剣を振り上げる。

 1体のマジカルゴブリンは、予想通り杖でガードの体勢をとる。

 影山はその杖の“線”を、ガンブレードの刃でなぞった。

 瞬間――ばきいいいいいいいぃ!!! と、杖が真っ二つに折れる。


「ご、ごぶうううっ!?」


 マジカルゴブリンが驚きの声を上げる。

 コメント欄も加速した。


『モンスターの武器を一瞬で壊す男』


『これはびっくりする』


 そして隙が生まれた胸の“線”へガンブレードを突き立てる。

 刃はマジカルゴブリン胸を貫いた。


「ご、ぶ……」


 どさ、とマジカルゴブリンが倒れた。

 剣をすぐ引き抜き、もう1体の方へ――そう思ったが、予想外の出来事が起きる。


「ごぶっ!!!」


 マジカルゴブリンが突っ込んできて、杖を影山へ向けて振り下ろしたのだ。


「っ!?」


 体を下げるも、杖は影山の右足へ命中。

 どしんっ、と金属バットで殴られたかのような、重たい衝撃に襲われた。


「ぐっ……!」


「ごぶっ、ごぶっ!」


 マジカルゴブリンは怯んだ影山を見て、すぐさま後ろへ跳躍。

 杖をかざし、水魔法を放った。

 影山は痛む足でなんとか走り抜け、攻撃を回避。

 そしてこんなことをしている間に、透視の効果が切れてしまった。

 銃を撃つも、マジカルゴブリンは俊敏な動きで回避。

 距離を詰めて何度か剣と杖がぶつかり合うも、決定的なダメージは与えられなかった。

 スピードは追いつけているが、他のステータスが平均以下だけあって、透視がないと決定打が与えづらい。

 この辺りは課題だなと、影山は考えた。

 そして攻防の末――透視スキルのクールタイムが終わる。


「透視……起動!」


 杖を再び一閃で折り、マジカルゴブリンを一撃で仕留めた。


『おつ』


『戦えそうだね』


『やっぱ動き早いな』


「だけど透視がないと、倒せないのが課題です……」


『レベル4でソロだから、当たり前なのでは……?』


『感覚バグってて草』


『そもそも普通の探索者なら死ぬ条件』


「そうなんですか?」


『マジカルゴブリンは、Eランク上位だからね』


『7~9ぐらいは欲しい』


(そうだったのか……)


 意外に思いつつ、その後もマジカルゴブリンを狩り続けた。

 時刻は17時頃。40体狩ったところで、システム音がレベルアップを告げた。


『――影山 光のLVが5へ上昇しました。HP+8 MP+3 攻撃+2 防御+3 魔力+2 精神+2 俊敏+7』


 影山 光 LV4→5

 HP 38→46

 MP 10→13

 攻撃 6→8

 防御 8→11

 魔力 7→9

 精神 8→10

 俊敏 29→36


『6回目でもうレベル5か……』


『ソロで基本格上相手だから、ペース早いのかな』


『普通、3~4週間ぐらいはかかるんだよなぁ』


「え。そうなんですか」


 今思うと、初日はかなり危険なことをしていたと思っているが、それ以降はそこまで無茶をしている実感はなかった。


『前回の上昇値と比べると、HP7→8 防御2→3 って感じかな』


『おめ』


『少しずつ底上げされてる!』


『動きも上達してるし、やはり逸材』


「ありがとうございます……」


 時間が時間なので、キリよくここで切り上げることにした。

 帰り道。

 影山は配信を切る前に、ぼそりと呟いた。


「今日はここまでにします。お疲れ様でした……はぁ」


『おつ』


『今日も面白かった!』


『まだ落ち込んでて草』


『推しの引退引きずっている(笑)』


『元気だして!』


「はい……」


 落ち込みつつ、数字を確認した。

 接続数は9350。

 フォロワーは12151。

 明日には接続数が10000を超えそうな勢いであった。

 音有 互角です。ここまで閲覧ありがとうございます。

 宣伝になります。別作品の方も毎日更新で連載中です。

 もしよければ、そちらもよろしくお願いします。


 タイトル「彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双」

 Nコード「N0753LY」

 https://ncode.syosetu.com/n0753ly/

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