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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する【更新休止中】  作者: 音有五角
第一章「ダンジョン配信者、影山 光」

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「そ、そうなんですか?」


『昨日の迷惑系でしょ?』


『あいつらアカウントBANされてて草』


『壁破壊ニキはヒーロー』


『これからも推します』


(情報が早い……もしかして、誰か映像をリークしたのかな……)


 同時にDQN達も晒されることになるが、それはどうでもよかった。

 ただ、影山の手柄が拡散されるのは気恥ずかしい。

 そんなことを考えながら、前回の記憶を頼りに壁を壊した地点へと移動。

 アプリが表示する地図には、隠し通路の記載はまだなかった。

 なにせ、たった1人しか出入りできない話だ。対応に困っていると考えられる。


「たしか、ここだったかな」


 ぱっと見は普通の、土壁の前へと立つ。

 そして透視スキルを発動させた。

 “線”へ向けてガンブレードをふり下ろし、壁を破壊する。

 瞬間、ズドドドドォォォォ、と土壁が音を立てて、粉々に崩れていく。


『何度見ても草』


『ガチでエグいな』


『あのクモはいるのかな?』


『さて、隠し通路にはなにがあるか』


『wkwk』


 隠し通路へと入った後、土壁が自動で修復される。

 アカウントにはなにか処理がされているのか、ドローンは今回、やかましい警告を発しなかった。

 そして前回同様に上から、クモが1体降りてくる。


「……来たか」


 まだ透視スキルはクールタイムに入ったまま。

 回避に専念すると判断。クモはこちらを威嚇しながら、糸を勢いよく吐き出した。

 初見ではないので、動きがよく見える。

 しかし緊張感は高く、心臓がドクドクと高鳴った。

 最悪の事態は、透視スキルが使えない状態で糸に捕ること。そうなれば、逃げる手段はない。

 動きを観察し、冷静に判断。横へ跳ぶ。

 宙を舞った糸がべちゃり、と土床に付着した。

 ガンブレードを構え、引き金を引く。

 青い魔力の銃弾は空気を切り裂いて、クモの体へと命中。

 だが、威力が足りない。クモはそれがどうしたと、怯まずにこちらへ突っ込んできた。


(俺の低い魔力じゃ、ほぼダメージなしか……)


 ガンブレードの弾丸の威力は、魔力の数値に依存する。

 レベル差がある上に、影山は俊敏以外のステータスは平均以下。

 動きの早さ以外は、あまり期待できない。よって火力不足は否めなかった。

 小回りの利く立ち回りを意識。距離を取りながら、突進をひらりと回避し、隙を見ては銃撃を素早く放つ。

 そして危険な糸攻撃は、絶対に避ける。

 前回より気持ちに余裕があるが、油断できる要素はない。


『見てるこっちがハラハラする』


『でも、戦い方が上手くなっている』


『動き回るの大事!』


『マジで気をつけて』


 そしてここからが反撃。透視スキルの、長いクールタイムが終わったのだ。

 影山の瞳はスキルの発動と共に、幻想的に青く光った。

 情報が視界に映る。


【足】 移動を司る部位。俊敏ダウン。

【腹部】 糸を生成する部位。糸による攻撃を完全停止。


(【足】で動きを遅くした後に、腹部を狙おう)


 素早い判断。ためらいなく、前へと出た。

 距離を詰めた後、ガンブレードを振り抜く。

 空気を裂く刃が“足”の“線”をなぞった。

 鋭い音とともに、クモの足へ致命的なダメージが走る。


「キィィィ!?」


 切断には至っていないが、これでクモには強力なデバフがかかった。

 動きが明らかに鈍くなっている。

 すぐさま横面へと向かうも、接近では間に合わずクールタイムへ入ってしまうと考えた。

 射撃で腹部の“点”を狙う。


「この距離なら……!」


 飛び出した青い弾丸が、その制限時間ギリギリで“点”へと命中。

 クモは顔を勢いよく上げ、大きな悲鳴を上げた。

 口と尻を動かすも、ご自慢の糸を外へ吐き出すことはできない。


「キイイイイ!!!」


 なにをしたんだと憤るように、クモが真っ直ぐに突っ込んでくる。

 だが、俊敏を下げられ、糸を吐けないクモは脅威じゃない。

 距離をとり、回避行動をとり、安全に時間を稼いだ。


『クモの様子がおかしい』


「腹を攻撃したことにより、糸の吐き出しができなくなりました」


『おおっ!』


『さっき腹に打ち込んだ銃弾か』


『そんなこともできるのか』


『いっけえええええ!』


 時間稼ぎが終わり――再び、透視スキルを起動。

 影山は目にも止まらぬ速さで接近し、ガンブレードを振るった。

 大ダメージ付与である“頭”の“線”を刃でなぞる。

 キィン! と、クモの頭から大きなダメージが与えられた。


「きぃ、いぃ……」


 クモはバタン、とその場で倒れる。


「……よし」


『強い!』


『またしてもDランクモンスターをソロ撃破(笑)』


『しかも安定してたなぁ』


『ガンブレードの扱いも上手くなってきたね』


『これは武器、決まってきたか?』


『臨機応変に、すぐ遠距離攻撃できるのはやっぱ相性良いね』


 クモの体が魔力となって消える。そこには魔石と共に、バスケットボールぐらいの大きさの、白い糸の塊が現れた。


「……これは?」


 影山は魔石を回収した後、糸をじっと観察した。

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