炎上系(?)配信者に絡まれる
ギャルの取り巻きである男2人も、両腕をオラオラ振りながら近づいてきた。
「お前、マジおもんねーんだけど~」
「これだから陰キャってダリ―よな~」
逃げていたトランクス一丁男も、戻ってくる。
「ガチ死ぬかと思った~」
コメント欄が流れていく。
『礼もなしか……』
『まあ、こうなるだろうね』
『知ってた』
『だから、こういう連中は助けたくない』
「あとさ~、人の獲物とらないでくれる? おーりょーなんだけど。魔石返せよ、泥棒。犯罪者」
ギャルが手を差し出してくる。
影山はしれっとブラックドックの魔石を回収していたのだ。
「断ります」
「は?」
「こっちが倒したので、こちらの物です」
『押しつけたのはそちらでは?』
『犯罪者はお前らだよ』
『他の探索者への悪質な迷惑行為は、刑事罰の対象です』
『協会に認められれば探索者免許も、配信垢も停止or永久BANになる』
ギャルが舌打ちをする。影山側のドローンをにらみつける。
「陰キャが調子乗ってんだけど~。マジムカつく~」
後ろの取り巻きの男が、まあまあ、となだめる。
「映像は残っているし、こっちが正しいのはあきらかっしょ?」
「こっちはフォロワー106人もいるんだぜ」
「今、同接40人だしな」
『ざっこ』
『すくなくて草』
『こっちはフォロワー11856、同接4158だけど』
ぎゃははは、とギャルが手を叩いて笑う。
「ウケんだけどぉ。こんな陰キャにそんなファンいるわけないじゃ~ん」
取り巻きもゲラゲラ笑いながら続ける。
「その音声コメントも、ママが打ってんだろ?」
「家帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな~」
「あと、悪いことしたら謝るってのは、社会の常識だからなぁ」
「俺らの楽しい配信邪魔して迷惑かけたわけだし、あとで謝ってもらうからな?」
下品な笑い声を残し、4人組のDQNが去っていく。
影山は、ぽつりとトランクス男へ声をかける。
「……お礼ぐらいは言ってほしいのですが」
「あ、サンキュ~」
軽い返事だ。
その軽薄な笑い声も、遠ざかっていく。
影山は深く息を吐いた。
「……関わらない方がいい人種、というのは本当ですね」
コメント欄が流れていく。
『あいつら何歳だよ』
『アーカイブ見たけど三十路超えてるって』
『イタタタ……』
『あれで三十路は地獄』
『子供いたらやべぇ』
『この国の未来が心配になる』
『ちなみに壁破壊ニキはいくつ?』
「27です」
『年下に助けられて礼も言えない三十路かぁ……』
『顔が前髪でほとんど見えないから、なんとも言えない』
『顔バレ防止?』
『隠されると気になるよな』
『逆に目立つ髪型だけどな。長くてボサボサだから』
(そうなのか……)
床屋はあまり好きじゃないのだが、今度短くしようと考えた。
影山は斧を収納し、ガンブレードを取り出す。
「……気を取り直して。狩りの練習を続けます」
今はやることをやろうと動き出した。
――そしてこの後、DQN達は大きな事件を起こす。




