告白
「ねぇよ。ただ……ずっと信じてたからよ、ミカのこと。あいつらのこと」
ユーマは重いため息をついた。
「まだ会ったばかりのお前らに、こんな話くせーけどさ。裏切られても、仲間が欲しくってさ」
ちらりと、影山の方を見た。
「そんでニキと会ってよ。すげーヤツで、最初は嫉妬とかしてよ。表には出さなかったけど、良い刺激にもなったからさ。こいつと組めたら、もっかいネオファンキングって、呼ばれるかなって、そうおもったな」
そしてマモル、リディアと見ていく。
「マモル先生はしっかりして落ち着いてて、リディアちゃんは可愛くて真面目でさ。そんなお前らとの冒険が楽しかった……けど、やっぱ、俺ダメみてーでさ。なんか、お前らどっか裏切るんじゃねーかって。こえーんだよな」
ユーマは鼻をすすり、ふぅ、と息を吐いた。
「酒とか飲むと、忘れられる。ずっと考えねーようにしてたんだけどよ。ちと、ミカの話出されて、やっぱ脳から不安が離れなくてよ。俺、どっかで辞めるかもしれねーって。そういう話だ」
沈黙が降りる。
本当はここまで話すつもりはなかったのかもしれない。
だけど今の吐露は、間違いなくユーマの本音だろう。
ミカの子供のこと、家庭のことは、ネオファンが絡むならある程度は収束していくだろう。
だけどユーマの精神は結局、あの時のまま止まっているのだ。
「あ、ああああの、私は、ユーマさんについていきますっ。ゆ、ユーマさんみたいな、すごい人がいるパーティーに入れて、嬉しくて、なので、その」
ポタポタ、とリディアは涙を流した。
「や、辞めるなんて、言わないでほしいです……」
マモルは腕を組み、3人を見守っている。
「ニキくんは、どうだい」
「そうですね……上手く言えないですけど」
影山も言葉を探す。
彼も前の会社でひどい目に遭ってきた立場だ。
だからユーマの人間不信も、わからないでもない。
ただ……。
「ええっと、その」
ふっ、とユーマは笑った。
「なんだよ」
「言いづらいな」
「……俺とは、話ずらいか?」
「むっ」
そういうわけではない。
なら、言ってしまおうとおもった。
「休止空けに言われたと思うけど。クソザコメンタルだなって」
しん、と静まりかえる。
そしてユーマは、大声で笑った。
「はははははは! 言うじゃねーか」
「たしかに、ユーマの過去は辛い。でも、俺だって、前の会社で辛い思いをした」
「……ああ。話題になったから、まあ、なんとなくは伝わる」
「こうやって、考えてることを話したのはすごいと思うけど。その……男なのにメンヘラというか」
と、ここでリディアが声を上げた。
「に、ニキさん!」
「いや。いいんだ、リディアちゃん」
「で、でも……」
「はっきり言ってくれて、むしろ助かるよ。ま、だよな! いつまでもクヨクヨ、メンヘラかってんだ」
ユーマは少しスッキリした様子で、笑みを浮かべた。
「わりぃ、バカなこと言ったな。弱音吐きたかっただけだ。これからもよろしくな」
影山はこくりとうなずいた。
「もしもユーマが道を間違えそうだったら、なんとかする」
「そんなダチみてーなこと、言ってくれんのか? メンヘラなんだろ、俺は」
「友達……で、ダメだろうか」
「っ!? い、いや、そんなことは……って、なんか恥ずいな! あっと、橘さん! あの人からも話があるからよ。また明日、頼んだぜ」




