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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第一章「ダンジョン配信者、影山 光」

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13/111

配信2日目

 新人探索者発掘&オススメスレ


 30 名前:名無しさん

 素手でダンジョンの壁壊す探索者がいる。

 こいつマジでヤバい。

 https://www.danjonlive.com/〇〇〇channel

 https://www.danjonlive.com/watch!〇〇〇


 31 名前:名無しさん

 は? なにこれ


 32 名前:名無しさん

 AI映像じゃないの?


 33 名前:名無しさん

 リアタイで見てた。ガチ。


 35 名前:名無しさん

 >>32

 検出アプリを試した結果は本物だったぞ


 36 名前:名無しさん

 ダンジョンの壁って壊れるのか?


 39 名前:名無しさん

 >>36

 そんな現象起きたらニュースになるレベル


 40 名前:名無しさん

 協会、大慌てだろうなぁ……


 41 名前:名無しさん

 これはバズるの確定。震えたわ。





 翌朝。

 昨日と同じダンジョンに向かうと、受付の職員が妙に丁寧だった。

 名刺を数枚渡された以外は、特に変わったことはない。


(……やっぱり、ただコメントが騒いでるだけか)


 影山はそう思いながらダンジョンに入り、いつものように配信を開始した。

 しかしその視聴者数は――3523へと伸びた。


「……は?」


 思わず声が出て、数字を二度見する。

 しかし何度見ても、3523だ。

 いきなり4ケタは、駆け出しの新人が集められる人数ではない。

 コメントが昨日よりすごい勢いで、流れ始める。


『お、来た』


『待ってたぞ壁破壊ニキ』


『“は?”の声が嫌そうで草』


『目立つの嫌いそうだけど、クソ目立ってんだよなぁ』


「なんで、こんなにいるんですか」


 影山は思わずカメラへ、そして視聴者へ問いかけた。


『むしろ来ないと思った理由を聞きたい』


『昨日の切り抜き、もう海外にまで回ってるぞ』


『噂の透視スキルを見せて!』


『壁壊しオナシャス』


「……はあ」


 つい、深いため息が漏れる。

 しゃべるのも、目立つのも得意ではない。

 だが、これだけ見られている以上、これは立派なライブ放送だ。今日の方針くらいは伝えるべきだろう。

 アイテムボックスから、昨日購入した新品の斧を取り出した。


「すいません。今日は……壁を壊しません」


『お?』


『まあ危ないしな、未開エリア』


『え~』


『昨日のクモは運が良かっただけ』


「俺もそう思います。だから今日は、練習だけします。透視スキルと……戦い方の練習を」


 死んだら終わりだ。

 まずは基礎を固めるべきだと、影山は判断した。


『いい判断』


『壁壊し見たいのに!』


『まあ、しゃあない。死んだら元も子もない』


『なんなら、昨日は突っ込みすぎだったと思う』


「……」


 影山は雑談を切り上げ、斧を手に無言で歩き出す。


『あれ?』


『雑談どちゃくそ短くて草』


『てか、武器は斧を選んだのね』


『この淡々さも良いと思い始めた』


『壁破壊ニキはこれくらいでいいかもね』


 コメントは勝手に盛り上がり続けるので、不思議な感覚だ。

 その中で、気になる文字が目に入った。


『お前、チー牛だよな?』


『影山 光だろ?』


 まずい。実名である。反応はしないようにした。

 配信タイトルは“駆け出し 生配信”。

 名前は出していないし、正式な活動名もない。

 昨日の配信でも名乗っていない。

 なのに、完全に特定されている。


(……これが身バレというやつか)


 背筋が冷たくなる。やはり強制配信は嫌なものだ。

 ちなみに顔出し、というのも義務である。ダンジョン法でそう定められていた。

 影山は、誰が書き込んでいるのかをすぐに理解する。

 辞めた会社の社員。その誰かだろう。


(それで解決にはならないだろうけど、ブロックはしておくか……)

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