下から来るぞ、気をつけろ!
通路は広く、トゲがあるものの窮屈さは感じない。
しかし曲がり角を右へ曲がった瞬間、朝日は4人を止めた。
「ここから先が、トラップの反応ありです。ポイントを通過するとトゲが発射されます。また、所々床が抜けていて、底はトゲだらけになってます」
朝日の言葉に、ユーマはお、と声を漏らす。
「本当だ。床がない部分があるぜ。まあ、ジャンプすりゃいけそうな範囲ではあるが……」
『マジでアイ○ナやん』
『シャレにならない』
『よし。帰ろう』
『ヒェッ……』
影山が声を上げる。
「一度作動したら動かなくなる?」
「うん。今、解析アプリで自動生成した簡易シミュレーション動画を送るね」
朝日から送られた動画を、4人はスマホで再生する。
白と黒で作られた簡易的なゲーム画面を、棒人形が進んでいく。
レイアウトに関しては再現されていて、こちらの通路に照らし合わせ、どの通過点でトラップが作動するのかわかる仕組みになっている。
ポイントを通過すると、その一列を埋め尽くすように、トゲが上から発射される。
床が抜けているところに関しては、下からトゲが発射されていた。
最後には幻覚によって普通の床に見えるが、実際は床が抜けているポイントがあり、そこをジャンプしてゴール。
合計7カ所、危険なトラップがあるようだ。
また、トゲのスピードも完全再現しているらしい。
かなり速度で、銃弾のような速さである。
『ヤバい』
『危険すぎるのでは』
『というかよく、こんなシミュレーション動画を瞬時に作れるな』
『技術すんご』
『上からも下からも来るやん』
「いけると思うから、俺がいく」
と、これまで隠し通路のトラップを突破してきた影山が名乗り出る。
靴による飛行もあり、適任と言えるだろう。
ユーマが肩をすくめる。
「これを見てすぐ行こうと思えんの、すげーな……本当に大丈夫か?」
「平気だ」
「まあ、いざとなりゃ俺の氷の壁でリカバリーするが……この発射速度だと、正直、自信はねぇ。気をつけろよ」
「うん」
『ニキ様、無理しないで~><』
『まあ、ニキしか突破できなそう』
『ハイパーブーストもあるしね』
影山はもう一度映像を確認し、トラップの発動ポイントを通路と照らし合わせ、前へ出る。
「いきます」
そしてトラップエリアへと駆け出す。
発動ポイントへ近づくと、朝日がアナウンスした。
「上から来ます!」
「うん」
走る速度を止めず、全力で前へ。
ズドオオオオン!!! と、影山が1秒前までいた地点に、トゲが落下した。
床にトゲがめり込むほどの勢いだ。
『あっぶな』
『こええええええええ』
『そんなに余裕ないぞ!?』
影山は速度を緩めず、全速力で前へ。
(慎重にいったらかえって危ない)
2、3のポイントを回避。
次。ポイント4。床が抜けているエリアは、ハイパーブーストで素早く飛行。
スパンッ!!! と影山がいなくなった後、すぐにトゲが天井へ向けて発射された。
天井から、砕けた銀色の破片がパラパラと落ちていく。
ポイント5も床抜け。
ハイパーブーストで切り抜ける。
瞬間――ガタガタガタ、という音が天井から聞こえた。
トゲが、グラグラと揺れている。
「ニキさん、揺れているのはフェイクだよ! その先の列が落ちてくる!」
「わかった」
ポイント6を通過。
これも素早い駆け出しにより、回避した。
そしてここから空中飛行を開始。
一見すると変わらない床だが、幻覚の床がポイント7だ。
「ニキさん! ポイント7、通過したよ! すごい!」
「無事に終わってよかった」
「ケガない? 大丈夫?」
「大丈夫だよ」
床へ着地。
これで落下を除けば、安全となった。
影山は振り返り、両手を振る。
『すげえええええ』
『切り抜き確定!!!』
『さっすが』
『さすニキ』
『オペちゃんもナイスアシスト』
『グラグラトゲフェイクとかやばw』
『よかった~~~><』
『おじさんはや~い』
『トラップ突破記念 800円』
『壁破壊ニキかっけぇ 500円』
『ニキ様しか勝たん 1000円』
ユーマがそれに答え、手を振る。
マモルはやや、頬が引きつっていた。
「すごいな……こうもあっさりと。生で見ると、また迫力が違う」
リディアもむう、とうなった。
「足引っ張らないように、がんばらないと……」
ユーマが2人へ振り返る。
「おし。じゃあ、落下に気をつけて、俺達もいくぞ!」




