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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する  作者: 音有五角
第三章「新パーティー結成」

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ライトニング・バイソン

 ユーマの宣言通り、この日の配信はボスへ挑むこととなった。

 モンスターを討伐しつつ、オペレーター達の指示の元、最短ルートでどんどん突き進んでいく。

 そのおかげで辿り着いたのは、1時間後であった。

 重々しく、大きな横開きの扉。

 この中に、ダンジョンの大将――ライトニング・バイソンがいる。


「おし。マジで強いから、みんな油断するなよ」


 ユーマの言葉に、影山達がうなずく。

 コメント欄も賑わっていた。


『ドキドキしてきた』


『がんばろう』


『Cランクボス……撃破したら、中の上ぐらいかな』


『だね。そのくらいの箔がつく』


『大体ここでつまづくか、事故るからな……』


『中級者脱出感あるよな』


 ユーマが扉の中央に触れる。

 ゴゴゴゴゴゴゴ、と扉が横に開いた。

 目の前には石の階段が現れる。

 そこを上がると、サッカーグラウンドのような大広間が目の前に広がった。

 そして部屋の中央には、大きな茶色の牛が佇んでいる。

 全長は4メートル。見た目は牛をより筋肉質にしたようなものだ。

 額から伸びる2対の角は鎌のように曲がり、先端が中央へ向いていた。


「モ゛オォォォォ!!!」


 牛が咆哮を上げる。

 そしてさっそく先手を打ち――角の中央に、バチバチバチ!!! と、雷の光が迸った。


「雷魔法、広範囲! 来ます!」


 朝日が音声で全員に伝える。

 ユーマが氷魔法で氷の壁を生成し、パーティーを守った。

 バチンっ! ジジジジジっ!!! と、氷の壁を雷が焼き尽くしていく。

 濃厚な白煙が上がり、氷が弾け飛んでいく。

 しかしそれでも、氷の壁はなんとか持ちこたえていた。

 やがて鳴りやむ雷。


『うわあああ』


『初手からヤバいって』


『殺意高い』


『画面眩しい』


「おし、いくぞ!」


 ユーマの言葉と共に、4人は飛び出した。

 影山は靴の魔力で空を飛びながら透視スキルを起動し、角へ向かって銃を撃つ。

 ベーシックマガジンによる弾丸は、“点”を見事に撃ち抜いた。

 右の角が、ばごんっ! と砕けて、落ちていく。


「モオォ!?!?!?」


『一発で角を砕いたw』


『さっすが』


『牛さんもびっくり』


『もう1本いけば魔法を防げる感じか?』


「そうですね」


 左の角も狙う。

 しかしさすがに警戒され、ライトニング・バイソンは顔を動かし、着弾点をずらされた。

 5秒が経過し、透視の効果時間が切れてしまう。

 マモル、ユーマが接近してライトニング・バイソンへ攻撃。

 しかしこのボスは見かけ通りパワーがあり、マモルのガードも大きく後ろへノックバックされるほど、力強かった。


「モ゛オォォォォォ!!!」


 ライトニング・バイソンは咆哮と共に、再び雷魔法を角から放った。

 1本破壊されたからか、先ほどよりも範囲も威力も低い。

 しかしそれでも、強力な雷が、辺りに何本も解き放たれる。

 ユーマは氷の壁で、影山は空中飛行でやりすごす。


「ぐっ!?」


 だがマモルに被弾し、苦悶の声を上げた。

 右肩を中心にジュウウウ、と焼かれ、黒煙が上がる。

 高い耐久があるといえど、高威力の雷魔法の被弾は一瞬にして肌を焼いた。

 リディアがすぐさま回復魔法をかける。

 傷が塞がるも、やはりこの雷魔法が大きな脅威だ。

 次こそは、と影山は再び透視スキルを発動させた。

 1発がわずかに“点”とズレる。

 しかし2発目にして“点”へ命中し、角が砕けた。


『キター!』


『これで魔法を防げる!』


『いけるぞ!』


「おっしゃ、ナイスだニキ!」


 ユーマが声を上げる。

 ライトニング・バイソンは怒りの咆哮を上げながら、ドスドスドス、と空中の影山へ向けて突進する。

 その前をマモルが立ち塞がった。


「赤い布はないが、こちらにいらっしゃい」


 マモルの大きな盾へ向かって、ライトニング・バイソンが突進。

 パワフルな衝撃音が、ズドオオオオオんっ!!! と、辺りに木霊した。

 角を2本砕かれた影響か、ライトニング・バイソンのパワーとスピードに若干の乱れが生じている。

 マモルのノックバックが、先ほどよりも勢いがない。


「――スタンシールド!」


 盾から迸る雷。

 しかしライトニング・バイソンには効果がなく、そのままマモルを押し出した。


『雷耐性か?』


『まあ、ボスランクだしね。これで止められるほど簡単じゃない』


 マモルが苦悶の表情を浮かべる。

 横からユーマが氷魔法を放ち、ライトニング・バイソンへダメージを与える。

 すると今度はそちらへヘイトが向き、ユーマへ向けて突進。

 だが、ぶつかるかと思われたその時に氷の壁を生成。

 ライトニング・バイソンは勢いよく、壁に額をごちん!!! と打ちつけた。

 これほどの突進を受け止められる氷の壁の耐久は、かなりのものだ。

 ライトニング・バイソンは暴れ、ユーマとマモルに攻撃を続ける。

 その動きは確実に鈍っていた。

 マモルへ突進が放たれた瞬間を狙い、ユーマは氷の剣を地面へ突きたてた。


「ニキ、頼んだぜ! ――アブソリュート・ゼロ!」


 ギギギギギ! という鋭い音と共に、地面が凍っていく。

 氷はライトニング・バイソンの足元を縫い付けるように、一気に広がった。


「ンモォ!?」


 ライトニング・バイソンは暴れ、氷にヒビを入れるも、その一瞬の足止めがこのパーティー相手には致命的となる。

 影山は透視スキルを起動し、ハイパーブーストを使い接近。

 ライトニング・バイソンの大ダメージ付与――右前足、左後ろ足を一閃。


「ン゛モ゛ォ゛! ン゛モ゛ォ゛ォ゛!!!」


 ライトニング・バイソンが絶叫を上げる。

 そして最後に――頭のてっぺん、脳天へ向けて兜割り。

 金色の刃が、ライトニング・バイソンの頭に突き刺さった。


「ンっ、モぉ……」


 ライトニング・バイソンは背中を仰け反らせ、どすん、と硬い床へ倒れる。

 その体は消え、魔石となった。


 『――影山 光のLVが23へ上昇しました。HP+38 MP+13 攻撃+13 防御+15 魔力+13 精神+14 俊敏+20』


 影山 光 LV22→23

 HP 463→501

 MP 171→184

 攻撃 170→183

 防御 192→207

 魔力 171→184

 精神 188→202

 俊敏 286→306

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