ユーマチャンネルと合流
『あのニキが敗戦とは……』
『これは切り抜き確定』
『危なかった』
『撤退の判断早くて良かったと思う』
『トレントの件とかあるから、突っ込むかとヒヤヒヤした』
『ニキ様、大丈夫!?』
『いたそうだよ~><』
「大丈夫です」
ポーションで手当てをし、矢を処理し、影山は壁を背に座っていた。
朝日のドローンの解析により、近くに敵がいないことは判明している。
『さすがに、まだCランクでソロはきついか』
『1体はいけてたけどね』
「弓使いがやっかいですね」
前衛のリザードマンに気をとられれば矢が飛んでくるし、といって後衛を気にしすぎても、前衛の猛攻にやられる。
もう少しステータスに余裕が出来れば、前衛を振り切って後衛から潰せるのだろうが、そこまで地力の差があるわけではなかった。
「しっかり休んだら、数が少ない時だけ戦います」
『そうしよう』
『無茶しないでね』
『珍しく慎重……』
『普通に勝てそうだっただろ。なにビビってんだ』
『いやいや、元々突っ込みすぎてたから。ソロはこのくらいが妥当』
(悔しい……)
正直、ハイパーブーストなどを上手く使えば乗り切れるという可能性も考えていた。
しかしそうはならなかったので、影山は内心で、静かに悔しがっていた。
☆
「――つーわけで、今日から壁破壊ニキが参戦だ! よろしくな!」
昼のC級ダンジョン。ユーマは嬉しいのか、影山の肩をバンバン叩く。
「どうも……」
『ニキさんいらっしゃい!』
『熱い共演ktkr』
『ゆ友情パパワー!』
『↑神ゲーネタやめて』
『お前達を待ってた』
『やっと使えそうなやつが来たか』
『こいつオモロいん?』
『だからいちいちオモロさ求めるな定期』
『ダンジョン配信、民度下がってきたなぁ……』
『もうすぐ夏休みだし、キッズ増えるよ』
『いやだなぁ』
マモルが影山のところへ行き、右手を伸ばした。
「これからよろしく頼んだよ、ニキくん。おっさんなりに頑張るからさ」
「どうも」
握手をする。
リディアも影山のところへ行き、あいさつした。
「はじめまして。リディアです、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「「……」」
陰キャ同士なので、秒で会話が無くなった。
『人見知り同士で草』
『リディアちゃんニキに惚れるんじゃね』
『ありそう』
『会話無いのに?(笑)』
『てか、リディアちゃんは多分だけど……いや野暮か』
『ユーマっぽいよね。視線の感じ』
『ニキ様に近づかないで』
『ニキ様困ってる』
『ニキ様はみんなのもの』
『厄介ファンの声デカくて草』
『ニキってやっぱ、ガチ恋勢多いんか』
『多いね。たまにオペちゃん強く当たられてる』
『草。オペちゃんお気の毒に』
『まあ、オペは同性が定石よ。探索者なんだから』
『なぜ、Vのユニコーンみたいなのが湧くんですかねぇ……』
ユーマが影山のところのドローンへ行く。
「えっと、朝日ちゃんだっけ? よろしくな!」
「はい! 負けませんよ!」
「おう! ……ん? なにがだ?」
謎の宣戦布告に、ユーマの頭上に“?”が浮かんだ。




