表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/66

職員がめちゃくちゃ慌ててドタバタする

(たしか、ここのはず)


 土壁を透視。

 ナイフでもいけるのかと試すため、ナイフで線を斬ってみる。

 瞬間、壁がガラガラガラ、と音を立てて崩れていった。


『草』


『もうなんでもありだな』


『ダイナマイトかな?』


『また復活するだろうから、早く出よう』


 影山は元の通路へと出る。

 しばらくすると、壁がゴゴゴゴゴ、と音を立てながら元に戻っていった。


『すごい映像だよな、これ』


『壁って壊れるし、自動で直るんですね』


『リアタイ勢、良いもの見れたな』


『貴重映像だ』


『探索者協会、大慌てだろうな』


 その後、何体かスライムを素手狩りまくると時刻は17時をすぎた。右手が痛くなってきたので、帰ろうと思い、出口へと向かう。


「今日は終わります。お疲れさまでした」


 影山そう言うと、コメントがすらすらと流れていく。

 接続数は184と表示されていた。


『最後まで大人しいの逆にクセになる』


『おつ! めっちゃ面白かった!』


『次も絶対見る』


『もうファンになった。推せる』


『フォローします』


 アプリでの配信を終了し、ダンジョンを出た。





 受付にいる職員に魔石の買い取りをお願いする。互いに格納スキルによるアイテムボックスを使い、魔石の引き渡しを行う。

 今日の成果はスライムの魔石25個と、Dランクのクモの魔石1個だ。

 若い男性職員が魔石を取り出し、魔力測定器である大きな箱型の機械で査定を行っていく。

 そこに表示された内容に、職員は「え?」と声を上げた。


「Dランクの魔石!? な、なぜ……ここはEランクダンジョンのはず。フロアボス以外、Eランクしか……ちょ、ちょっとあなた、この魔石をどこで?」


「……壁を壊したら、クモが落ちてきました」


「壁を壊した? クモ? 一体、なにを言って……こ、これは大変なことだ。この魔石を拾った時間は? 配信のアーカイブで確認させてもらいます」


「時間……ええっと……」


 説明が終わると、4人の職員達がドタバタと動き始める。

 顔色が変わっていた。


(なんだか、騒ぎになっている……)


 ちなみに査定結果は、スライムが一個100円。クモが一個1500円。

 合計4000円。

 こんなものか、とショックを受けた。


(バイトより少ないな……駆け出しあるあるならしいけど)


 だが、職員達はそれどころではない。


「な、なんだこの映像は!? なにかの間違いじゃないのか!」


「AIの作った映像の可能性は!?」


「これはライブ配信のアーカイブだぞ!」


「おい! 監視AIが未知の座標を検知している! なぜ、誰も報告をしていない!」


「冒険者の名前は!? 何者だ!?」


「ええっと、すいません、ライセンスの方を見せてください」


 戻って来た職員へ、ライセンスを見せる。職員は入室記録をパソコンで検索。


「影山 光。今日初めてダンジョンへ潜った、レベル1の探索者です」


「レベル1がDランクモンスターをソロで撃破だと!? ありえん! しかも映像では、グーパンチとレンタルナイフだぞ!?」


「そ、そんなこと私に言われましても。本人に聞いてくださいよ……」


 その中で、一番慌てていた髭のイケオジが前に出た。

 どうやら責任者なようだ。


「影山 光さん……にわかには信じがたいですが、今日起きたことはなにもかもが、規格外です。正直、我々の手には負えない。協会に……上に報告をしますが、よろしいですね」


「はぁ……えっと、まずいこと、なんですか」


 後ろの方を見ると、さらにドタバタしている人数が増えて、9人ぐらいの職員であれやこれやと騒いでいる。電話をしたり、映像を解析したり、とにかくてんやわんやだ。

 なんだか、悪いことをした気分になる。


「いえ、悪いことではありませんが……前例がないことで、これからどうなるか想像がつかないです」


「そうなんですか」


「はい。あなたの今日の配信は、間違いなく拡散されるでしょう。協会もどう対応をするのか……ちなみに、今後の活動の予定は?」


「明日、またここで狩りをしたいです」


「なるほど……例の壁の中へも行くご予定で?」


「まずいですか」


「安全のため非推奨ですが、罰則はありません」


「では、行くと思います」


「……わかりました。明日、お待ちしております。本日はお疲れ様でした」


「ありがとうございました」


 やや小さな声であいさつして、ダンジョンを去っていく。

 帰りのバスでアプリを開くと、フォロワーの数が205を超えていた。

 だけどまだ、実感は()かなくて。

 疲れたなぁ、と欠伸をしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんにちは。 前話修正…確かにプラス値がかなり下方修正(俊敏は記憶違いじゃなきゃ14~5くらい増えてた→プラス値が半分以下になってる?)されましたね。 でもステータスが高過ぎると透視の意味が無くなる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ