ユーマチャンネルの新たなメンバー、2人目
朝日と共にマンションまで帰った後、影山は自室にてユーマチャンネルの視聴を開始した。
スケジュールが許されれば毎回、リアルタイムで見てしまう。
(2回一緒にごはん食べた程度で、友人面されたら迷惑だろうか。迷惑な気がする。今回はコメントしないで、ひっそり見よう……)
そんなことを思いつつ、ライブ放送へ入室する。
今日はユーマパーティーへ加わる、2人目のメンバーが発表されるらしい。
画面はC級ダンジョンで、ユーマとマモルの2人が映る。
「二日酔いは大丈夫かい?」
マモルがさっそくそんな話を振る。
ユーマはこくりとうなずいた。
「まあ、昨日休んだしな」
『ユーマ、酒癖治そうね』
『雑談配信でもベロンベロンまで飲むからなぁ』
『お酒はほどほどに』
『心配』
『人に迷惑かけちゃダメだよ』
『羽目を外しすぎないでね』
『無理しないで家に帰るのよ』
『タクシーの運転手さんに迷惑かけてないよね?』
「お母さんか、お前らは! 余計なお世話だし、大丈夫だっての」
実際は大丈夫じゃなかったが、視聴者の前では見栄を張るユーマであった。
ファンの前ではちょっとイキりたいようだ。
「うし! そんなことより、新メンバーの発表すんぞ。ネオファンと新たに専属契約をした、リディアチャンネルのリディアちゃんだ」
「……どうも」
ユーマの紹介で現れたのは、楚々とした幻想的な女の子であった。
年齢は22。身長は150。髪の色が銀色で、ショートヘアである。ほっそりとした小柄かつ小顔で、クールな雰囲気だ。
武器は杖である。
『あら可愛らしい』
『可愛い』
『知らんなぁ』
『お人形さんみたい』
『まさかの女子?』
『大丈夫?』
『女子禁制にするのかと思った』
「大丈夫だよ!? いやまぁ、たしかに男女パーティーって、トラブルありがちだけどよ……」
配信者あるあるだが、なぜか冒険者パーティーでもその法則は当てはまっていた。
男女トラブル、人間関係、イジメ。
その3つが起きやすいのが、男女グループの特徴である。
『その典型例だったね』
「その典型例だったよ、うっせ。まあ、リディアちゃんは大丈夫だろ。大人しい子だからな」
『でも、不倫とかするのって、大体こういう清楚系だよね』
『あー、わかるわ』
『そのイメージある』
『○○○○とかね』
『○○○○○もそうだね』
『こらこら』
『やめい』
『マモルもそうだが、ユーマの実績と釣り合わない新人なのが気になる』
『ネオファンどうした?』
『なんでユーマのところに入れたんだろうね』
「散々な言い草だな、お前ら……あー、リディアちゃん? 気にしなくていいからな。ネットってのは、こういうもんだ。メンタル強めでよろしくな」
「は、はいっ。グループ内恋愛禁止ということですね……わかりました」
「いや、べつに自由でいいんだが……まあ、任せるよ、その辺りは」
リディアは顔を赤くして、緊張している様子であった。
そしてユーマのコメント欄から、あまり歓迎されていないこともあり、怖気づいている。
マモル同様、これからの行動に注目されそうだ。
「じゃあ、さっそく行くとするか。リディアちゃんは後衛タイプみてーだから、みんなのサポートよろしくな」
「っ、は、はいぃ!」
「そんな声裏がえるなよ……お前、撮影外でもそんな感じだったけど、本当に大丈夫か?」
「大丈夫でしっ」
「ダメそうだな……まあ、俺とマモル先生で十分に安定するから、いいけどよ」
そんな会話をしつつ、ユーマパーティーはC級ダンジョン攻略をスタートする。
リディアの視線は、ユーマへチラチラと送られる回数が多かった。




