新たな隊員(?)
「るっさいぞ、お前らさっきから‥‥お?何戦闘態勢なんかしてんだ?」
「この中にはね‥‥怪異よりも有害な生物がいるんだよ‥‥」
「何言ってんだ」
「じゃあ君が倒してよ!!的が小さいから異術も当たんないんだよ!!」
「おう、やってやらぁ」
アキラが意気揚々とドアを開ける。
「てか小さくて怪異よりも有害なものってなんぞ‥‥」
カサカサカサ‥‥怪異よりも有害な生物があちらこちらに動きまわっていた。
「おー?何だ――—」
ぴょん、有害な生物がアキラに向かって飛んできた。
それをアキラは素手でパシッと捕まえる。
「ただのゴキブリじゃないか」
「「「うわあああああ!!!」」」
アキラが素手で捕まえたことに三人は絶叫した。
■
「で、君は‥‥アキラ君て言うんだね‥‥」
「おう、上からの命令で視察に来たんだよ。ちなみに俺は一般部隊の内の2番隊に属してる」
「へえ~、2番隊ってことはアキラ君は結構強いんだね」
「当たり前よ!」
そう、数が多い部隊は1番隊、2番隊‥‥と別れている。最近、隊員が増えすぎて10以上は隊があるとか何とか。
しかもどこの隊に入るかは強さで決まる。強ければ1、2番の隊に入れるし、弱ければ12とか13とか、そこらへんになるのだ。因みに2番隊は結構すごい方だよ。
「いつかは1番隊の隊長を退け、俺が一番になるんだ!」
アキラは目を輝かせながら言う。
「アキラ君‥‥あの隊長は化け物だよ。喧嘩売ったら粒子にされるよ」
「だからだろ!?燃えるだろ!!」
「るっさ‥‥」
ルーカスが顔をしかめる。
なんてことだ。意外に熱血だったらしい。
「そういや、何でここに来たの?」
「ああ、俺は任務で来たんだ。そう!上の命令でお前らを監視しろと言われたんだ!!」
「「「えぇ‥‥」」」
「隠密にな!」
「‥‥‥隠密の意味知ってる?」
言っちゃってんじゃん。と突っ込む。
とんでもない子が来た。しかも上からの命令?何が目的だ‥‥?
「ねえ、アキラ君は俺らを監視する理由を知ってる?」
「知らん!」
ダーメだこりゃ。この子本当に2番隊なのかよ‥‥、力だけで伸し上がって来た感じか?
「隊長、どうします?このバカ。2番隊に返しましょうよ、無理なら土に」
「いや土はダメでしょ。レオール、あの子自然に返した方がいいわよ」
「どっちも無理に決まってるでしょ‥‥」
差し出したお菓子を食べてるアキラを見て三人はため息を吐く。
「アキラ君、期間は何日?」
「一ヶ月」
「「「一ヶ月‥‥!?」」」
■
「えー‥‥うちの部隊では主に新種の怪異と珍種の怪異を討伐&記録をしてるよ。大体は応援で呼ばれることが多いけど」
「なるほど、暇だということか!」
「失礼だね君」
こんな事してる暇は無いってのに‥‥、書類片付けなくちゃならないのに‥‥!
「そういえば隊長、さっき応援要請が‥‥」
「断っといて」
「良くないぞ!仕事はちゃんとやらなくちゃダメなんだ!」
「こんのクソガキ‥‥てか君何歳?絶対成人してないでしょ」
ふつふつと感じていた。大人にしてみればまだ顔も幼いし、待って身長も俺より小さい!‥‥誤差だけど。
「俺は16だ!」
「うっわぁ~、未成年~」
「大丈夫なの?こんな子ここにいて‥‥私守れないわよ」
ごもっともな事をメアは言う。
これはあれだ、押し付けられただけだ。
「隊長‥‥」
「レオールぅ‥‥」
「レオ———ル」
「あーもう分かったよ!てかアキラ君、君ちょっと黙ってて!」
「いや、隊長、応援要請‥‥」
■
「おお!皆苦戦してる!」
「アキラ君?」
「とても愉快だ!」
「アキラ君!?」
わぁー!とアキラ君が走り出したのを静かにルーカスが追いかけていく。
ここは要請を受けた場所‥‥確かに怪異がたくさんいる。
「ルーちゃーん」
「何ですか」
ルーカスがアキラの襟をひっぱりながら来る。
完全に猫と飼い主だ。
「アキラ君見てるから片付けてきて」
「うっす」
「俺も戦う!」
「えー?でも君倒した後そのままどっか行きそうじゃん」
「それ隊長がいいますか?」
ルーカスが水を差してくる。
俺はちゃんと帰るのに。
「でもいいと思うわよ、戦闘力を見るチャンスじゃない?」
「確かに‥‥じゃあルーちゃんよろしくね」
「え?」
「行くぞルーカス!」
「え、待って、ふざっけんなクソ上司ィィィィ!!」
次はアキラに引っ張られるルーカスは悲鳴と共に消えていった。
「この後ルーちゃんに殺されそうだね、今のうちに逃げよっか!」
「いやダメでしょ」
ちなみに、ルーカスは今あばらが三本折れていた。




