異脳
「えいやっ」
パーンッ
怪異がはじけた。
「‥‥いや物理!?」
なんとアキラが怪異を殴ったのだ。
普通、殴って蹴ってでは怪異なんて倒せない。だから異術を使っているのだ。
「おいルーカス!俺はやったぞ!お前も戦え!」
「うるせぇ‥‥」
そう言いつつも怪異を倒す。おぉ!とアキラから歓声があがった。
「異術!俺も使えたらなぁ!」
「!、お前は使えないのか!?」
「おう!使えるっちゃ使えるけど俺はイメージ力がなくてな!どれもこれも変になってしまうのだ」
「それは胸張って言う言葉か?」
ドヤるアキラの頭に軽くチョップする。
「じゃあ一回使ってみてくれ」
「おうよ」
アキラは怪異に向かって両手をかざす。
「むむむむむ‥‥はあっ」
ドンッ、シュウウウウゥゥ‥‥
凄い衝撃となぜ出たのか分からない煙から、謎の物体が表れた。
ニュゴオオオオッッ
変な鳴き声もしてる。
「な、何だこれは…」
「いやぁ、強いものと言ったらやっぱ怪獣かなって。だから創ってみた」
「バ、バカやろおぉぉぉっ!!」
■
「あははははっ。ルーちゃん困ってるのめっちゃオモロイ!」
「え、いや、それよりもあの化け物なによ。異術であんなもの創れるものなの?」
「知らなーい。創れる人は創れるんじゃない?」
適当なレオールの返事に、メアはイラッとした。
「え、何で殴ってくるの。え、やめてやめて」
「そんなことより、人間が物理で怪異なんて倒せるわけ?」
「え~とね、多分アキラくんが珍しいだけだよ。大体の人間は異術を使わないと怪異を倒せないと"思い込んでる"からね」
「思い込んでる?」
「そうだよ。君だって土を掘るにはスコップを使わないと掘れないと思ってるでしょ?」
「……!」
そう、イメージがあれば何でもできる。だけど、イメージするもの何て大体皆同じ。そんな中、皆とは全く違うイメージを持つ者を、俺らは
『異脳』
そう読んでいる。因みにルーちゃんも異脳だよ。
全く、珍種を扱うのは怪異とルーちゃんで十分ってのにね。
「だからアキラくんはこの部隊に来たんだよ」
「あー、なるほどね、分かったわ」
普通じゃない人ばかり来るのもどうかと思うんだけどなぁ~。
「あー!ルーカスが俺の創った怪獣に食われたー!」
見ると、怪獣に上半身だけ食われたルーカスが足をバタつかせていた。
「……何やってんだろうね、あいつら」
■
「ごめんって~!許してくれよルーカス~!」
「うわ!抱きついてくんな!」
「ルーちゃん懐かれたね。そのまま教育係して貰ってもいい?」
「どさくさに押し付けようとすんな!」
さっきから何だこれは……。メアはじゃれ合っている男3人を見る。私は何を見せられているのだろう。
「教育係は暇そうなあいつで良いだろ!」
ルーカスがメアを指差した。
「何言ってんのよ。私のどこが暇そうなのよ!」
「逆に言うけどソファーに寝っ転がってスマホいじってる奴のどこが暇じゃないんだよ!」
「あいつらはアベックか?」
「君何時代に生まれたんだよ。…そうだね、後ちょっとってところじゃない?」
「なるぼど!」
いがみ合ってる二人を見てアキラとレオールは微笑んだ。
「何ニヤけてんだ」
ビュンッ
…ルーちゃんが俺にだけクッションを投げつけてきた。
良かったら、完結した『地獄巡り』も読んでみてください。




