戦いの末
「くっ、なんて厄介な敵なんだ・・・花粉がこんなにもつらいだなんて・・・」
現在、ルーちゃんを探しに俺とメアと、ついでに露出狂女で森の中に入ったのだが、森の木は全部スギの木。ありえないくらいに目がかゆい。
「ぶええええええっくしょおおおおい」
「るっさいわよアンタァ!」
「ごめんごめんごめんって、おねがいだからスネを蹴らないで痛い」
全く、どっちが上司かも分からないではないか。
歩き続けていると、突如白い霧がでてきた。
「何よこれ」
メアが聞いてきた。
「結界だよ」
「結界?これが?」
本気でおどろいてる。まだまだ勉強不足だな☆
「そうだよぉ、だから私たちも入れないんだよね」
いきなりマリが話に入ってきた。
「この中にルーちゃんはいると思うし、花粉も嫌だし帰るか」
なんと仲間を見捨てたレオール達だった。
■
「チッ、くそ上司が‥‥!」
レオールに見捨てられたルーカスは、ひたすら逃げていた。
そして、レオールがここに来たことも分かっている。
「かわいっそ~。上司に捨てられっちゃったんだ~」
ケラケラ笑いながら近づいてくる。
さっきからあいつの姿が見えない。だからどこから攻撃が来るかわからない!
ずっと『守』を展開しているしかないのだ。
「グッ」
突如ルーカスの鼻から血が噴き出した。
あまりの痛さに思わず膝をつく。
「‥‥キャパオーバーか‥‥」
そう、イメージ力があっても脳の処理能力が追い付かなければ意味がない。
それにルーカスはずっと術を展開していたので、何倍もの痛みを感じることになる。
「あーあ、楽しくない。せっかく楽しく遊べると思ったのにー」
ルーカスの前に姿を現した。
「ま、いいか。敵が減るのもいいことだし――‥‥」
ルーカスに伸ばした敵の右腕が消し飛んだ。
「!?」
何だ?何が起きたんだ?気づいたらあいつの手が消えて‥‥
ハッとする。結界がない!!
「破られた・・・?僕の結界が・・・」
血が噴き出している右腕を抑えながら発狂した。
「どこだ!どこにいる!?出てこい!殺してやる!!!」
手あたり次第ナイフを投げまくるそいつは、さっきの冷静さとはかけ離れていた。
「ルーちゃーん!!」
「うおわっ」
どこからか出てきたレオールに抱き着かれ、あまりの勢いに吹っ飛ぶ。
「アンタッ、何で敵の目の前に飛び出すのよっ」
「もう疲れた~、帰りたーい」
キレているメアと呑気なマリアが出てきた。
「心配したんだよ!!急にいなくなったらダメでしょ!!」
「うっわボロボロじゃん!よく生きてるわね‥‥」
「ここ虫多い~、帰りたーい」
ルーカスを囲んで喋っていると、ヒュッとナイフが飛んできた。
グサッと鈍い音と共にレオールの頭にナイフが刺さる。
「いってえええええっ!!」
「‥‥何で今ので死なないんですか」
ゴロゴロと転げまわるレオールとはよそに、男はキレている。
「あれ?アレン君じゃん。どうしてこんなことしてるの?」
どうやら敵はアレンという名前らしい。
しかもマリアは、ルーカスと戦っていたのがアレンと気づいたようだ。
「‥‥はあ‥‥、学園長ですか‥‥それに討伐隊の隊長に‥‥あぁ、混血ですか」
ビクッとメアが反応する。
しかも混血って言った?混血ってまさか‥‥
「こんなのと戦ったら僕も死んじゃうんでね。はい、学園長」
ピラッと投げてきた。受け取るとそれは退職届だった。
「では、さようなら。また会いましょうねーー!」
アレンは一瞬で消えてしまった。
「あーあー、めんどくさいことになったね。こりゃ報告書も大変だ」
「それよりもレオちゃん、ルーカス君が死にそうだよ」
「へ?あぁやべっ早く戻らなくちゃじゃん!」
急いで帰るレオール達を1人、見守ってる者がいた。その手にはアレンの右腕がある。
「殺されんなよ。俺が殺す前に」
そう言い、去っていった。




