花粉症の隊長
「てかなんでお前怪人がいるって知ってんの?」
俺も知らないのに‥‥
そう、違和感の正体。それにこいつ、怪異の群れに襲われてたのに気絶しただけで済んでるし。
「あー、学園長が言ってた・・・って言っても通じなさそうだね。でも僕は怪人じゃないよ?」
「じゃあなに」
「今回の怪人に仕えてる、人間のスパイだ」
■
「ぶええええっくしょおおおおいっ」
いきなりクソでかい声でくしゃみをしたのはレオールだった。
「え、汚っ、そこらへんのおじさんのほうがまだ可愛いクシャミするわよ」
「いいすぎでは?」
相変わらずひどい言いようだ。
「だってここ花粉多いんだもん。季節じゃないのに」
「いやぁ、多分季節関係ないわよ。だって…」
「?」
「この森全部スギの木よ」
レオールが硬直する。そこまでショック?
「おい!マリ!どういうことだ!」
「えー、私スギの木好きだもん」
「花粉症のやつら全員殺しに来てるじゃねえか!」
「そうなの~。だからお説教の時お世話になってる」
もうここまで来たら生徒に対する一種の虐待だろ。
「教師のほうで♪」
ハラスメントだった。
■
ビュッ
どこからかナイフが飛んでくる。
「うおっ」
ギリギリでよける。
ナイフは木に当たり、その木は折れた。
「怖すぎだろあいつ」
それにさっきから霧が出てて視界が悪い!
「だーっ」
足元にナイフが刺さった。
「逃げてもここからは出られないよ~」
歩きながらナイフを投げる焦らすのもそろそろ飽きてきた。
「そして僕からもっ」
異術-『必』
この技は一中必殺。必ず当たる技なのである。一直線に飛んで行ったナイフは、ルーカスの頭をつらぬ・・・かなった。
「!」
異術‐『守』
この技は、一部の部位しか守れないが、絶対に守ってくれる術なのだ。
「君もか」
「あぁ、そうだよ。術なんてイメージがありゃいくらでも作れる!」
そう。異術とはイメージ。人がするイメージは大体同じだが、稀に全く別の物を想像するものがいる。
その者たちはみな、自分にしか使えない術を持っているのだ。
「自分の想像力がどれだけすごいか、見せ合いっこだな・・・!」
周りには、怪異たちの悲惨な姿が転がっていた。
「みんな死んだな・・・」
「そうね・・・」
となりでせっせとマリアが服を着ている。
「そういえば、教員が足りないね」
「へー、そうなんだ怪異にでも食べられ・・・」
教員が足りない?
そういえばルーちゃんはみんなを助けに・・・
「あーー!やばい!ルーちゃんがいない!」
「そういえば、あともう一人いないね」
「今すぐ行こう!」
「アンタ花粉は!?」
「克服した!」
「嘘つけ!めっちゃ目ぇ腫れてるじゃないの!」
「一瞬でいけば問題ないから!急げ~!」
ルーカスを助けるため走り出すレオール達だった。




