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「僕の部屋は選ばれし場所?家具娘たちと過ごす不思議な日常と、ちょっと苦めのコーヒーを。」  作者: メガネ3353


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19/28

これって、デートみたいじゃないか?

休日の朝、クッカが少し困ったような顔で話しかけてきた。

「ご主人様、あの……フライパンのテフロン加工が、そろそろ限界でして……。」


「あー、そうか……。」

確かに最近、ちょっと焦げ付きやすかった気がする。

「じゃあ、買いに行くか。」

自然とそう答えて、財布をポケットに突っ込む。


それから数十分後、気づけば──

俺は街のショッピングモールで、女の子たちに囲まれて歩いていた。



「わぁ、すごいですね……!」

カジュアルなワンピース姿のネムが、嬉しそうに雑貨屋のウィンドウを覗き込んでいる。

「……あの……これ……いいなぁ……。」

小さな声で呟きながら指差したのは、

ふわふわの柔軟剤と、香りのついたリネンスプレーのセット。

「……お願い、してもいいですか……?」

小さく上目遣いで見つめられ、心臓が少し跳ねた。


シトリは白いブラウスにデニムのショートパンツ姿で、

「……あっ、あれ……座布団、欲しいです……!」

と、少し恥ずかしそうに手を挙げて言った。

その横には、「低反発クッション」「おしゃれなラグマット」のコーナーが並んでいて、

なるほど、椅子としての快適さを求めてるのか……と妙に納得してしまう。


クッカは淡い黄色のカーディガンに、シンプルなスカート姿で、

「わぁ、この木べら、すごく可愛いですね……!」

とキッチン雑貨コーナーで目を輝かせていた。

「あと、このお鍋も……! これなら煮込み料理がもっと美味しくできそうです……!」

熱心に選ぶその姿が、妙に生活感に溢れていて、

一瞬だけ「これって普通の彼女とのデートみたいだな」と思ってしまう。


そしてリブリアはシックなシャツワンピース姿で、

無言で文房具コーナーを見つめていた。

「……これ……欲しい。」

と手に取ったのは、おしゃれなしおりと、真鍮のブックスタンド。

「お前、ブックスタンドいるのか……?」と問いかけると、

リブリアはほんのり頬を赤らめ、

「……私、本棚なので。」と小さな声で答えた。



「…………。」


人混みの中で、ふと自分が置かれている状況を俯瞰する。

普通のカジュアルな服を着た、年頃の女の子たちに囲まれて、

一緒に雑貨を見たり、商品を手に取ったり、

「これ、可愛いね」「これ似合うかな?」なんて話をしたり。


──これ、どう考えても、デートじゃないか?


そんな言葉が心の奥に浮かび上がったけれど、

「いやいや、違うだろ! これは買い物!フライパンを買いに来ただけ!」と必死に頭を振った。


だけど、

ふとクッカが「ご主人様、今日は来てくださって嬉しいです」と微笑み、

シトリが「また一緒に来たいです……」と小さな声で呟き、

ネムが「ご主人様、またお出かけしましょうね!」と笑い、

リブリアが「たまには悪くないですね……」と口元を緩めたその瞬間。


胸の奥が、じんわりと温かくなった気がした。


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