華やかな訪問者
休日の午後、部屋の中にはいつも通りののんびりとした空気が流れていた。
キッチンからはクッカが包丁をトントンと刻む音、
リブリアのページをめくる音、
シトリが「ご主人様、座ります?」と小さな声で声をかけてくる声。
ネムは、ふわふわと床で転がりながら「ご主人様、ここで一緒にゴロゴロしませんか~?」と手を伸ばしてくる。
俺はその景色をぼんやり眺めながら、心の中でふとつぶやく。
──人間、何にでも慣れるもんだな。
あの日から始まった奇妙な生活も、今ではすっかり日常になった。
「さて、コーヒーでも淹れるか……」
そんな風に立ち上がった、その時だった。
ピンポーン。
インターホンの音が部屋に響く。
「ん……誰だ?」
普段、訪問者なんてほとんどいないこの部屋に、不意の来客。
首をかしげながらドアを開けると──
「ごきげんよう、ご主人様♡」
一瞬、視界がふわりと白く染まった。
目の前に立っていたのは、まるで宝石細工のような女の子だった。
ふわりと揺れる白と金のワンピース、髪には繊細なガラス細工の髪飾り、
肌は透き通るように滑らかで、瞳はまるで輝石のように光を湛えている。
一歩踏み出すたび、光の粒がふわりと周囲に散り、
その姿が自然と視線を引き寄せた。
「私、ルミナリアと申しますの。
これから、ご主人様の生活をより豊かに、より上質にするため、参上いたしましたわ♡」
優雅な笑顔とともに、スカートの裾を摘んでお辞儀をするその姿に、
俺は、ただ呆然と立ち尽くしていた。
「え、なにこれ……。」
背後から、家具娘たちの反応が聞こえる。
「わぁ……なんだか、すっごく綺麗な子ですね……!」とネムが目を輝かせ、
クッカは少し戸惑いながらも「ご主人様のお役に立つ方なら……」と小さく微笑む。
リブリアは本を閉じ、じっと観察するような目でルミナリアを見つめ、
シトリは「……椅子じゃないですね。」と少しだけ不満げに呟いていた。
そして、ルミナリアは眩い笑顔のまま、ふわりと部屋の中へと入っていく。
その足元から、細かな光の粒が舞い上がり、
リビングがなんとなく、ほんの少しだけ明るくなったような気がした。
「さぁ、ご主人様。
これからは、私がこのお部屋を輝かせて差し上げますわ♡」
光の粒が漂う中、彼女は胸元に手を当て、誇らしげに微笑んでいた。
俺は、なんだかふわふわとした感覚のまま、
「……ああ、なんかすごいのが来たな。」とだけ、心の中で呟いた。




