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鬼の宴 - ENN -  作者: 星夜 燈凛
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マドンナ




 大学へ到着した雄太は、いつもの通り講義を受ける。本日は3つの講義を受講した。


 全ての講義を受け終わる頃には、西の空はうっすらと茜色に染まり始め、一日の終わりを告げていた。


 雄太はその空を見上げ、ぐうっと伸びをしながら大口をあけて欠伸をする。

 そして、再び自転車に乗って自宅へ帰るため、駐輪場のある裏門へと向かって歩き出した。





 裏門が見える位置に来ると、雄太はピタッと立ち止まる。


 なぜなら、そこにはこの大学のマドンナ、萬羽桜子まんば さくらこが門に寄りかかるようにして立っていたからだ。



 彼女の成績は大学内でも常にトップクラス、いつも明るく笑顔を絶やさない人だ。

 なにより、爽やかなショートカットが良く似合う色白の美人で、彼女の友人が勝手に応募したこの大学のミスコンで、堂々の2連続優勝を遂げてしまうくらいの容姿の持ち主なのだ。

 かといって近寄りがたいわけでもなく、誰に対しても気さくに分け(へだ)てなく接し、優しさも気遣いも人一倍持ち合わせているにも関わらず、そんな自分のことをまったく鼻にかけない。

 この大学の男どもがこぞって自分の彼女にしたいと望む、まさに、理想の天使のような人であった。



 彼女を一目見れるなんて、今日も学校に来て良かった!と雄太は心の中でガッツポーズをする。



 萬羽さんの様な人がもし、自分の彼女だったなら────。



 まず、休日は朝一番に彼女の自宅に彼女を迎えに行ってデートをする。


 水族館でキラキラ輝く彼女の笑顔を眺め幸せな気持ちになった後、お昼は水族館の近くのオシャレなカフェでランチ。


 こっちも一口食べる?なんて聞いて、あーんし合って彼女の恥じらう顔にきゅんっとして〜


 夜は夜景の綺麗な高台に行って、景色を見ているうちに二人の雰囲気も盛り上がって、距離がぐっと近づいて~……



 きゃぁぁぁっ……/////

 幸せだよねぇっ!!



 などと想像すると止まらなくなってしまいそうだ。


 その時、一人の男が足早に彼女に近づいてきた。


「ごめんっ!お待たせっ!」


(しゅう)くんっ!」


 秀くんと呼ばれたその人はこの大学の人ではないのか全く見覚えがない人だった。社会人だろうか。


 その男はまさに3K……

 K 高身長

 K 高学歴

 K 高収入


 の具体例を見せられているような人だった。



 雄太は内心大混乱する。


 ────誰だ、あの年上男!?

 うわ高そうな時計してやがる。一体あれいくらするんだよ。

 スラッとして背も高くて、眼鏡かけてていかにもインテリ系?


 萬羽さんの彼氏!?彼氏なのか!??


 いや、待て。


 彼女はフリーだというのは聞いた事がある。

 それじゃあ、あの人は一体……。



 二人に視線を戻すと、何やら親しげに会話をしている。


「さぁ、そろそろ行こうか。

 向こうに車を停めてあるんだ。

 桜ちゃん、転んだら危ないから僕の腕につかまって?」


「もぉ~秀くんてば、大袈裟だよぉ~」


 そう言って笑うと、桜子は素直に秀という男の腕につかまった。


 その様子をバッチリと見てしまった雄太の内心は全く穏やかではない。



 腕組んだァあぁあぁあぁあぁあぁあぁー!!!


 何、何、何!?恋人なわけぇえェえェえー?!


 な、なんということだっ……


 戦う前からフラれるなんて…………



 ショックのあまりその場に頭を抱えてしゃがみこんでしまう。


 そこへ、場違いなほど間の抜けた声が降ってきた。


「あれぇ?春日ちゃん?

 そんな所で何してるのぉ??」


 狐のような細いツリ目の穏やかそうな男が、道のど真ん中でうずくまる雄太に声をかけてきた。


 声をかけてきたのは男の名は、増田篤謙(ますだあつかね)

 高校からの部活仲間で、雄太に刺青が出現した後も変わらず口を聞いてくれる、数少ない友人の一人だった。


 雄太は、素早く立ち上がってくるっと振り返り、篤謙の両肩をガッチリと掴んで篤謙を揺さぶった。


「ますだ あつかねぇえぇぇえぇ~!!!!

心の友よぉぉお~!!!!」


「なんでフルネームっ……!?って……

 おわぁあぁあぁあぁっ!痛いっ!

 痛いからっ……!

 もう、どうしたのさっ!春日ちゃんっ!」


 落ち着け!と言わんばかりに篤謙が雄太の肩を掴み返す。そんな篤謙に雄太は涙ながらに(うった)えた。



「なぁ、お前……この後空いてるよなぁ?

 ちょっと俺に付き合ってくれよ。

 飲みに行こうぜぇ……?」



 篤謙の返事など待たず半ば無理やり襟首を掴んで引きずって行く。



「ちょっ、ちょっと!!わかった!!!

 わかったから!!!!!!

 せめて自分で歩かせてぇえぇー!!!」





 夕陽に照らされた大学の校舎に篤謙の悲痛な悲鳴が響き渡ったのだった。





 おまけ

 ますだ あつかね のどーでもの宴


 はいっ、どーも。春日ちゃんの親友篤謙です。

 春日ちゃん、僕の首根っこ掴むなんて酷いよね〜!

 まぁ、僕に対して扱いが雑なのは、毎度の事過ぎてもう気にしてないけどね(笑)


 さて、ここでどーでも情報〜!

 『主人公春日雄太の誕生日は3月31日』

 わー、春日ちゃんおめでと〜!!

 20歳になって、まだ数ヶ月しか経ってないんだ。


 ちなみに僕は5月20日でーす。あれ?聞いてないって?

 まぁ、良いじゃん。じゃ、可愛いマドンナの誕生日は……

 え?なに、なに?本編で使いたいから内緒?何それ〜!?


 っていうか、『秀』って名前なんか聞き覚えあるけど誰だっけな?ん〜……思い出せない。まぁいっかっ!


「おーい!篤謙ぇ!誰と喋ってるんだー?」


 あ、春日ちゃんが呼んでる。行かないと!

 じゃ、次の話でお会いしましょっ。

 ばいば〜いっ!




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