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フォクストロット城へ

一日の間を置いた。

単なる戦力差、つまり兵員の数だけを見るならば、教皇派連合が有利であった。

通常ならばこのまま追撃、イケイケドンドンとなるところであるが、圧勝の要因となった鉄砲隊の、弾数が残り少なくなったのだ。


これでは快進撃は継続できない。

それに調子に乗った進軍をすれば、必ず伏兵にやられて出さなくても良い損害を出すことになるだろう。

それは避けたいところだ。


キララ銃の話だけではない。

とくにナンブ軍の鉄砲隊は、ナンブ・リュウゾウ親衛隊が担いでいるのだ。

おかしなところで死人をだしたくない。


彼らはナンブ家にとってまさしく宝なのだから。

みちのく屋により現地へ弾薬が届けられたのは、翌日昼頃。

そして斥候のアヤコも同じ頃合いに帰還した。


敵はフォクストロット城に全軍立てこもったそうだ。

弓兵をかき集め、城門を固く閉ざしているそうである。


「ふむ、敵も飛び道具の有効性を感じているか」


「どうするのかな、ヤハラくん?」


傍らにバキ少年を控えさせて、アーサー王子が微笑む。


「飛び道具ではこちらが圧倒的有利です。弓兵を片っ端から撃ち抜いて、白兵戦部隊に城壁を登らせます」


「ドルボンド戦のときと同じだね」


「はい、違う点は白昼の戦闘であること。それに鉄砲隊がいることです」


「白兵戦部隊が突入するまでに、敵の弓兵はことごとく討ち取りたいね」


「突入の好機は、城壁から弓兵が消えて、敵の白兵戦部隊が現れてから、と考えております」


「鉄砲隊を徹底的に活用するんだね?」


左様、と私は答えた。

アヤコが城までの略図を描いてくれた。

街道から一本道で到着できそうだ。


しかし細かく辻々に伏兵を配しているらしい。

一直線に城を目指す私たちの脇腹を突きたいようだ。

なるほど、兵隊の数までアヤコは記してくれたのでわかる。


正面から当たって教皇派を足止めする役が大人数。

そして脇腹を突く役割の人数は、一箇所ごとには少ない。

だが、襲撃ポイントの数が多い。


これは一撃離脱戦法ではないか? と私は読む。

正面から強く当たられて右往左往する教皇派の脇腹をチクチクと突いて数を減らす。

そして少人数故に逃走も軽快だ。


おそらく民家に逃げ込み裏口から抜け出す。それを繰り返して城まで逃げのびるつもりなのであろう。

正面から当たった連中も、入り組んで迷路のようになった城下町を、巧みに逃げのびるのだろうが、そうはいかない。

策が透けて見えれば、なに、恐れるものではない。


脇腹を突こうとする伏兵部隊は、街道から一本左右に入った通りに群れている。

これは白兵戦部隊に片付けてもらおう。

そして正面に待っている足止め部隊は、弓兵に任せることとする。


そこまで伝達すれば、城を目指して出発だ。

各軍大将の護りを厳として、教皇派は丘を越えた。

眼下に広がるフォクストロット文化の街並。


ナンブ領の木造建築から比べると、かなり極彩色の彩りに見えた。

この美しい街並が血に染まるのである。

私には 変態的嗜好があるのだろうか? 血の街を思っただけでエレクチオンをもよおしてしまった。


鉄砲隊と白兵戦部隊を前面に集中して、私は軍を城へと進めた。


毎日更新をしておりましたが本業多忙のため隔日更新に変更させていただきます。


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