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飛び道具の弱点

私たちナンブ軍は、イズモ軍の後に続いて入城した。

もちろんイズモ軍は私たちなどでは到底及ばない規模の軍勢ではあったが、このニ家だけでも他国と一戦交えられるだけの戦力に見える。

辺境伯というものが存在する。


辺境すなわち国境を守る伯爵のことだ。

その辺境伯というのが他国の軍勢と一戦交えるだけの戦力を所持しているという。まあこれはモノの例えというか、序盤の一戦で敵に劣らない戦力という意味だ。

イズモとナンブのニ家が力を合わせれば、それに匹敵するくらいの戦力となりそうだ。


そこに鉄砲隊である。

使い方次第では、本当に一国と真正面から衝突できるだろう。

だがそんな無駄な消耗をしないように手配するのが軍師の仕事である。


そのためにはフォクストロットよりも先に陣地を敷いて、これを迎え撃つという形を取りたい。

鉄砲は距離が命だ。

敵に先んじて戦場を測量し、これを我が物としたいのだ。


そのように考えていると、忍びのイズミから現場の詳細な地図が届いた。

忍びたちが現地を測量してくれたそうだ。


「イズミさん、この地図の写しはあるかね?」


「いや、そんな暇は無かった。第三軍諸侯の分だけすぐに写そうか?」


「まだ他の貴族たちが到着していない。少し時間をかけてもらってかまわない」


そうだ、私もまた地図とにらめっこをして策を練らなければならない。

とはいえ戦場は思案するまでもなく川をはさんで平原でしかない。

私の仕事はどこにどの家の鉄砲隊を配属し、どのように弾を供給するか? を決めることであった。


弾の供給、これは重要である。

鉄砲隊が鉄砲隊として機能するには、弾の絶え間ない供給が必要なのだ。

これには白兵戦部隊の若い者を充てようと思っている。


しかし戦場は興奮のるつぼというやつだ。

急ごしらえの補充兵がヘマをやらかさないか、少し不安ではある。

私が地図とにらみ合いをし、イズミが地図を写していたが、軍は城の中に招かれる。


王室、主にアーサー王子による招集だ。

兵は城で休憩させられる。

この辺りの手続きはイズモの老中たちにまかせることにした。


私は地図とにらみ合ったまま、陣営……つまり司令所に呼び出された。

アーサー直近、イズモも参謀格、そして私。

それと伯爵さまに男爵さま。


お歴々の集まる中でアーサー王子が口火を切る。


「此度は急な招集にもかかわらず、速やかなる参上大儀であった」


通常の口上である。


「余は教皇派諸国と連携をとった結果、セーラー、ロメオ、アルファ国は今回我々とともに挙兵してくれることとなった」


「お待ちくだされ、アーサー王子」


イズモ伯爵が口を挟んだ。


「わがワイマール王国は第三軍のみの出征ではありますが、飛び道具中心の布陣です。他国が手柄にはやって、我々の射線をふさぐことはありますまいな」


「現地で協議する」


「重々含みおきくだされ」


その点は重要だ。

旧式の戦法で敵に群がられ、弓も鉄砲も投石も使えない状況など生み出されたら、これまdwの苦労が水の泡となってしまう。

とりあえずワイマール軍は飛び道具中心の部隊であるので、急先鋒を務めます故、援軍要請あるまで兵を抑えていただきたい。

という趣旨の文を教皇派各国へすぐさましたためた。


文は早馬で届けられる。


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