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38。


これがキスというものなんだ。


鹿島さんが、私のことを好きだと言ってくれた。


けれど、嬉しさも何の感情もない。こんな汚れた私に、喜ぶ権利も嬉しいと思う価値もないから。


指輪も、返してしまった。


ふふ、鹿島さん。またかって、呆れて思っただろうな。


でも、これでいい。あなたに、大切な優しさをたくさん貰った。


好きな人と交わすキスは、きっとどんな高級なプレゼントより、尊いし美しいんだろうな。だから、最後にくれたプレゼントは、私が心から欲していたものになるのかもしれない。


鹿島さんが好き。大好きで、大切。


ひとりぼっちになった私の、この世界で唯一の人。


借りた携帯にも、あなたの名前だけを残しておいた。


缶ジュースを、たくさん買ってくれる鹿島さん。優しく抱き締めてくれた鹿島さん。優しいキスをくれた鹿島さん。


こんな貧乏でみっともない私を、好きだと言ってくれた。


けれど、この世界に唯一のあなたに、私は到底、届かないし相応しくない。


「ごめんなさい、本当に」


あなたのほっぺの体温を、あなたの甘い口づけを、忘れないように生きていく。


「ううん、こちらこそ、今までありがとう。楽しかった」


神さま、ありがとう。


鹿島さんに会わせてくれて。


鹿島さん、ありがとう。


あなたが、私の唯一無二。


「鹿島さん、ありがとうございます」


あなたを、愛しています。


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