実習生あげはの神対応と、新藤さんの血圧
実習生あげは(ギャル実習生)の豊満な魅力とギャップ萌えに撃ち抜かれた常連患者・新藤(37)が再登場! カムシア(HD/LD)やOD錠(口腔内崩壊錠)の略称疑問に対するあげはの神対応&専門知識と、血圧ブースを担当する小寺結衣の優しいサポートに癒やされるハートフルなエピソードをお楽しみください!
俺は新藤(37歳)。
最近、この『ドラッグラベール白鳥駅前店』に入ってきたギャル実習生の密かなファンだ。
俺の調べによると……薬学部の実習は11週間で終わるらしい。実に寂しいが致し方ない。
あのはじけるような豊満なボディで、実に丁寧かつ正確な服薬説明をしてくれるのだ。そのギャップ萌えには、とんでもない破壊力がある。
正に妻を凌駕する圧巻のスタイルに、俺の男心は完全に撃ち抜かれてしまった……! 卒業したら絶対にこの店舗に正規配属されてほしいぜ!!
しかも彼女、すでにほぼ一人前の薬剤師さんと同じような完璧な動きをしており、脱帽するばかりなのだ。
(ん……? 今日は店内で『秋の健康フェス』をやっているのか……。またあの美人薬剤師たちが怒涛のカウンセリング販売をしているのか……いや待てよ?)
俺はハッと膝を打った。
(これ、ゆっくりギャル実習生ちゃんと話ができる絶好のチャンスなのでは……!? 今まで微妙に聞くまでもないが、地味に気になっていた薬の疑問を質問してみよう!)
「こんにちは、ちょっと聞きたいことがあって……」
俺が声をかけると、あげはちゃんがパタパタと軽快な足取りで寄ってきた。
かっ……可愛すぎる……!!
「どうされましたか〜? 確認いたしますね♪」
くっ……接客の笑顔まで完璧に出来上がっているではないか!
俺はポケットから自分のお薬手帳と説明書を取り出した。
「あ、あのさ……この『カムシア配合錠HD』って薬の……『HD』ってのが一体何の略なのか気になっててね……」
「あ、それは『High Dose』の略ですよ〜! 配合されている成分量が大きい(多い)方がHDで、量が少ない方がLD(Low Dose)となっています。将来的に減塩や食事制限などの生活習慣改善で血圧が下がってくれば、量を減らしたり単剤に変更していけると尚グッドですね♪」
くっ……! この子がグッドすぎるじゃないか……! 一体どうなっているんだこの店舗の教育は!!
「じ、じゃあさ! こっちの『フェブキソスタットOD錠』の……『OD』ってのは何の略なんだ?」
あげはちゃんはニッコリ微笑んで即答した。
「それは『Orally Disintegrating Tablet』の略で、『口腔内崩壊錠』と言います!」
こっ……口腔内……崩壊錠……!?
口の中で……崩壊する……? 俺の口の中がズタズタに爆破・崩壊するのか!?
確かに先週、疲れから口内炎ができた!(注:まったく関係ありません)
そ、そんな恐ろしい兵器のようなものを毎日飲まされていたというのか……!?
急に顔面蒼白になる俺!
「えっ……ええっ!? そ、そんな危ないお薬なんですか……!? ふ、普通の錠剤に変えてもらえませんか!!」
あげはちゃんは「あはは!」と可愛らしく声を上げて笑った。
「大丈夫ですよ、新藤様! これは唾液や少量の水分で『お口の中でサッと溶ける(崩壊する)』ように作られたお薬なんです。水なしでも服用できるので、外出先やお水がない時でも安心して飲める優しいお薬なんですよ♪ 何も怖くありませんからね♪」
なっ……何だと……!?
『口が爆発する』なんて勝手に勘違いして、バカみたいなリアクションをしてしまった……! 俺は大人としてなんという醜態を晒してしまったんだーーーっ!!
恥ずかしさで顔を真っ赤にする俺に、あげはちゃんは優しく言葉を重ねてくれた。
「アルファベットの難しい略語って、お薬には多いですよね♪ 分からないことは何でも気軽に聞いてください! 身近な疑問を解決して、安心して服用できるようにするのが私たちの使命ですから♪」
ブワッ……(感動の涙が吹き出す音)。
バカにするどころか……なんて神対応なんだ……!!
「健康フェスやってますよ〜! 良かったら血圧測っていかれませんか?」
お隣から声をかけてくれたのは、小柄で可憐な薬剤師・小寺結衣さんだった。
あげはちゃんの神対応にすっかり心がほっこり温まった俺は、結衣さんの案内で血圧測定機に腕を通した。
ピ、ピ、ピー♪
表示された血圧の数値は、まさに理想的な『正常値』!
「フフッ、お薬が良く効いていますね♪ これからもお大事になさってくださいね♪」
結衣さんが可憐な笑顔で血圧結果のメモを手渡してくれる。
小さな血圧の紙を大事に握りしめ、俺は心の底から満たされた気持ちで帰路につくのだった。
【血圧測定ブース横・陣内拓海】
「……ふぅ。あげはちゃん、カムシアのHD/LDの解説からOD錠(Orally Disintegrating Tablet)の服薬指導まで、良いアプローチだったな……!」
一部始終を見守っていた俺――陣内拓海は、腕を組んで感無量の面持ちで頷いていた。
(実習生として入ってきた当初はギャル全開だったあげはちゃんが、今では患者さんの不安を完璧に取り除き、専門用語を噛み砕いて説明できるようになっている……。小寺さんのフォローも温かくて完璧だ!)
「拓海さん……♪ 測定会、すごく順調ですわね」
涼香さんがトロンとした瞳でコーヒーを淹れて持ってきてくれ、ほのかちゃんも「拓海さん、次の患者さんの準備もバッチリです!」と笑顔で駆け寄ってくる。
(……うん! 今日は新藤さんの笑顔も見られたし、あげはちゃんの成長も実感できた。俺の胃袋もすこぶる調子が良いぞ!)
俺は温かいコーヒーを一口飲み、絶好調の『秋のからだリセット健康測定会』を大満足で指揮し続けるのだった。
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