激甘ハロウィンサバトと、恋泥棒ウイルスの猛威
悪魔たん(神崎葵)のプロデュースのもと、ハロウィン限定仮装&メイクで覚醒したまひろとほのか、そして落ち着いた魔女風の涼香が繰り広げる大熱狂のハロウィンキャンペーン! 男性の心を撃ち抜く「恋泥棒ウイルス」と「ガチ小悪魔」のダブルアタックに激怒&歓喜するヒロインたちと、売り上げ爆増の陰で胃薬を煽る陣内のドタバタ劇
ハロウィンキャンペーン当日――白鳥駅前店は、開店直後から見たこともないような熱気と人だかりに包まれていた。
店頭の特設フォトスポット(仮装写真撮影)こそ、「さすがにそこまでやるのは業務上やりすぎですわ!」と猛拒否した氷室涼香薬局長だったが、購入金額に応じた豪華抽選会は渋々承諾。経費でバッチリ豪華景品?を揃え、事前チラシにもデカデカと掲載した成果は絶大だった。
キャンペーン開始直前、控え室で3人のヒロインが顔を見合わせた。
「これでフェアな勝負よ……!」(まひろ)
「負けないわ!!」(ほのか)
「アタシだって……拓海さんに一番になってもらいますわ!!」(涼香)
バチバチと火花を散らす3人。
いざ開店すると、そこはまさに「悪魔たん(神崎葵)」が仕掛けた空前絶後のお祭り騒ぎ(サバト)へと変貌したのだ!
【コスメ売り場:まひろ(ガチ小悪魔アイドル)】
ベース: 黒の半袖ブラウスに黒のタイトスカート。会社指定のエプロンと名札は通常通り。
頭: 髪にちょこんと乗った、小さな黒いデビルホーンのカチューシャ。
メイク: 目尻に紫のアイシャドウ、頬に小さな星型シールをひとつ。リップは鮮やかなローズ系。
胸元: 制服の襟に紫の細いリボン。視線を胸元と首筋へ惹きつける絶妙なアクセント。
小物: コスメ紹介用の小さなハロウィンステッキ。
「こちらの限定リップ、お客様のお肌の透明感をすっごく引き立ててくれますよ〜♪」
商品を案内するたびに、小さなステッキをクルリと回して可愛くポーズを決めるまひろ。その姿はまさに地上に降り立ったガチの小悪魔アイドル! 男性客どころか女性客まで「可愛いーっ!」と叫びながら吸い寄せられ、コスメ売り場は激しい人だかりとレジ待ちの大行列ができていた。
【医薬品・日用品売り場:ほのか(恋泥棒黒猫)】
ベース: 清潔感のある白衣と制服。名札はいつも通り。
頭: 控えめで可憐な、小さな黒猫耳カチューシャ。
メイク: ブラウン系のアイメイクに、目尻へ小さな猫ひげ風ライン。
胸元: 白衣の襟元にオレンジ色の小さなリボンブローチ。
小物: ハロウィン柄の小さな商品案内ボード。
「皆さん、風邪やウイルスには抗生剤は効かないんですよ? 日頃の予防と保湿がとっても大切なんです♪」
清楚な白衣と控えめな猫耳のギャップ、そして優しい微笑み。ほのかが風邪予防セットを手にアドバイスを授けるたび、通りかかる男性客たちの胸にチクチクと「恋のウイルス」が突き刺さり、罹患(一目惚れ)する被害者が続出! 医薬品売り場も爆発的な売上を記録していた。
【店頭特設スペース:涼香(知的なミニ魔女薬局長)】
ベース: 黒ジャケットに白ブラウス、黒の膝丈タイトスカート。知的で隙のない装い。
頭: 黒の小さなミニ魔女帽子をヘアクリップで固定。
メイク: ボルドーのリップで上品な大人の色気をプラス。
胸元: ジャケットの襟にボルドーのリボンブローチ。
小物: 抽選券を入れる黒とオレンジのボックス。
「2000円以上ご購入のお客様はこちらで抽選となりますわ! おめでとうございます、粗品のお手拭きと感染予防セットです♪」
涼香が手渡すのは、ティッシュやカイロといった普通の粗品なのだが、品のある美貌とボルドーリップの笑みで見つめられた上に、外れた場合も手を振るアピールでお客様たちは「うおおおっ、外れじゃねー!!当たりだー!!」と謎の大喜びをして帰っていく。
調剤室の奥では、小寺結衣が淡々と処方箋を捌きながら、涼香の神々しい魔女姿を「尊い……尊すぎる……」と目を輝かせて覗き込んでいた。
さらに、テスト勉強が余裕で終わった実習生の涼宮あげはも、楽しそうに売り場を眺めて笑う。
「こんなおもしれぇ薬局、そうそう無ぇっしょ!! アタシ、大学卒業したら絶対ここに就職するっしょ!」
バックヤードの陰では、神崎葵統括課長が大興奮でハァハァと息を荒げていた。
「もーっ! 氷室ちゃんもバッチリ乗ってくれて最高だわ!! ねぇ拓海くんっ! 今日の売上、目視では全然わからないけど肌感で分かるわ!!過去最高更新よっ! 明日の夜間金庫への売り上げ入金、絶対に暴漢に襲われずに無事に行ってちょうだいねっ!!」
(あ……悪魔たん……! 自分が楽しむためのサバトで見たこともない売上を叩き出すなんて、33歳で本部統括課長は伊達じゃない……!)
俺――陣内拓海が恐れ戦いていると、抽選会の景品管理やアピール(手を振る)で文字通り手が離せない涼香の隙を突いて、まひろとほのかの二人が俺の両脇へ忍び寄ってきた。
二人は上目遣いで俺の顔を覗き込むと、甘くトロけるような声で同時に囁いたのだ。
「「薬局長ばっかり見てたら……イタズラしちゃうぞ(しちゃいますから)……っ♡」」
「「「「ぐはっ……!?!?」」」」
左から迫るガチ小悪魔まひろのローズの吐息。
右から迫る恋泥棒ほのかの甘いスキンシップ。
(激甘ハロウィン、恐るべしっ……!! かわいすぎるこの子たちを、俺は一体手に負えるのかっ…!)
不意打ちの激甘おねだりにノックアウトされた俺は、顔面を真っ赤に沸騰させながら冷や汗を滝のように流した。
そして、猛烈な甘すぎるプレッシャーと激痛を訴える胃袋に耐えかね、震える手でポケットの『ラベール胃腸薬プレミアム』を取り出すと、カウンターの陰で一気に喉奥へ流し込むのだった。
「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」




