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美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


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スイゼリアの伝授と、またコツをつかむほのか

スイゼリアでの緊急作戦会議を経て、管理栄養士・彩の「栄養学×スキンシップのダブル攻勢」で覚醒した白石ほのか(女子力700万オーバー!)による怒涛の反撃と、甘すぎる愛妻おねだりにノックアウトされる陣内のドタバタ劇をお楽しみください!

白鳥駅前の『スイゼリア』。

熱々のミラノ風ドリアと辛味チキンを前に、白石ほのかはすっかり魂が抜けた顔でグラスの氷をカラカラと鳴らしていた。

「……もうダメだよ、彩ちゃん。薬局長は不意打ちで『ほっぺにキス』までしちゃうし、まひろちゃんは『サシ飲み』で『拓海さん』って呼び合ってるし……私だけ置いていかれちゃってるよぉ……っ」

向かいに座る管理栄養士の白戸彩は、人差し指でメガネをクイッと上げると、辛味チキンを豪快にかぶりついてからフッと不敵に笑った。

「甘いわね、ほのかちゃん! 相手は『不意打ちキス(1000万)』と『呼び名変更(800万)』という大技を繰り出してきた……なら、あなたも同じ 土俵に立って『本気の攻勢』をかければいいのよ!」

「えっ……? 本気の攻勢……?」

「いい? あなたの強みは『管理栄養士直伝の胃腸ケアお弁当』という、男性の生活と体を根本から支える【良妻ポジション】よ! 太古の昔から胃を掴んだ女が勝つのよ!!可愛いだけでは飽きるっ!!間違いないの、だけど、キッカケが必要なのは間違いない!今のあなたに足りないのは……『直球のスキンシップと甘え』なのだ!」

ドーン!と彩はドリアのチーズを伸ばしながら、バシッとほのかに指を突きつける。

「胃に優しい手作り朝食やお夜食の提案……つまり『胃袋の掴み取り』に、自然な身体的接触(腕組み・手の重ね合わせ)をミックスするの! 相手の陣内エリア長は、普段から胃薬を煽るほどのストレスと圧力を受けているわ。そこに『優しく胃を労わりながら、甘えてくる可愛い後輩』が現れたらどうなると思う?」

「あっ……っ! 胃が癒やされると同時に……胸がキュンってなる……!?」

「その通り! これが私の編み出した【栄養学×スキンシップのダブル・ヒーリング攻勢】よ! さあ立ち上がりなさい、ほのかちゃん! あなたのポテンシャルは、こんなところで終わるタマじゃないわ!最終的に女子力は億超えをめざすのよっ!」

彩の熱いレクチャーとミラノ風ドリアの熱気によって、ほのかの瞳にメラメラと炎が燃え上がった。

(そうよ……! 私だって、先輩のことが大好きなんだから……指をくわえて見てるだけなんて嫌っ……!)

その瞬間、ほのかを包む空気が一変した。

スカウター(メガネ)を構えた彩の目には、ほのかの女子力が【600万】から一気に【800万オーバー】へと跳ね上がり、ゴールドのオーラを纏って覚醒した姿が映し出されていた。

「その意気よ、ほのかちゃん……! 白鳥駅前店に、あなたの愛を叩き込んできなさい!!」

翌日――白鳥駅前店。

「……ふぅ、午後の処方監査と棚卸しの準備も一通り終わったな」

調剤室でデスクワークを終えた俺――陣内拓海が息を吐いた、その時だった。

「先輩っ……♪」

ふわりと甘く心地よい業務に邪魔にならない香水(みずみずしいシャボンの香り)とともに、可憐に微笑む白石ほのかが歩み寄ってきた。

いつもの控えめな雰囲気とは違い、どこか凛とした、けれど溢れんばかりの甘いオーラを全身から漂わせている。

「あ、白石さん。どうしたんだい?」

「あのね、先輩……。いつもお仕事で遅くまで頑張っていらっしゃる先輩のために、明日の朝用のお弁当……『胃に優しい特製おじやセット』と、温かい生姜スープを仕込んできたんです」

「えっ!? 朝用のお弁当……!?」

「はいっ♪ でも……ただ渡すだけじゃなくて……私、先輩に『お願い』があるんです」

ほのかは頬をポッと朱に染めると、躊躇うことなくすっと両手を伸ばし、俺の右腕をぎゅっと自分の胸元に抱きかかえてきた!

「ひ……白石さんっ!?」

腕に伝わる、温かく柔らかい感触。

それだけではない。ほのかは潤んだ瞳で俺をじっと見つめると、上目遣いでトドメの言葉を囁いたのだ。

「私……薬局長やまひろちゃんに、絶対に負けたくないんです。……だから、先輩。これからは私のことも『ほのかちゃん』って、もっと特別に甘やかして呼んでください……っ。それに……私の作ったお弁当、先輩のおうちまで届けに行っても……いいですか……♡?」

「「「「ええええええーーーーーっ!?!?」」」」

バックヤードの陰で見守っていた涼香、まひろ、あげは、そして俺の脳内で悲鳴が炸裂した。

「ほ……ほのかちゃん!? おうちって……自宅への訪問おねだり……!?」

まひろが目を丸くして叫ぶ。

「わっ私も陣内さんのおうち…いきたいっ……っ!?」

涼香もメガネをガタガタと揺らして狼狽えている。

右腕に伝わる至高の柔らかさと、潤んだ瞳で「おうちに行ってもいいですか?」とおねだりしてくる覚醒ほのかの破壊力。

(あ、あかん……!! 覚醒したほのかちゃんの『良妻&直球おねだりアタック』が凄まじすぎる……!! 胃が癒やされるどころか、甘すぎて心臓と脳みそが爆発しそうだーーーっ!!)

限界突破したプレッシャーと甘すぎる興奮に襲われた俺は、真っ赤になった顔を隠すように冷や汗を流しながら、震える手でポケットへ手を伸ばした。

そして、女子力をまた1段上げたほのかの猛攻に身を捩りながら、愛用の『ラベール胃腸薬プレミアム』を取り出し、そのまま一気に喉奥へ煽り込むのだった。

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

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