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美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


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女子力のハイパーインフレーションと、スイゼリアの密談

管理栄養士・白戸彩が再び白鳥駅前店に潜入! 呼び名変更で800万に達したまひろと、不意打ちキスを経て1000万の大台に突入した涼香の爆発的女子力インフレに圧倒されつつ、戦意喪失しかけているほのかを「サイゼリヤ(スイゼリア)」に誘って再起を図るドタバタ劇をお楽しみください!

私、白戸彩(25)。白石ほのかちゃんの高校時代からの親友で、現役の管理栄養士だ。

無事に私の助言(胃に優しいお弁当&胃袋攻略作戦)で、ほのかちゃん(基礎女子力400万)は一段ベースを上げ、スーパー都民に一歩近づいているはずなのだ。

――が、それがどうしたことか。

最近のほのかちゃんから送られてくるLINEや愚痴のパワーが、以前にも増して凄まじいことになっているではないか……!

(フッ……仕方ないわね、この子は……! 修行(私の指導)がまるで足りていないじゃないの!)

私が見るに、私の助言でほのかちゃんの女子力は【600万】まで跳ね上がったはず。それなのに、現場で他のヒロインたちに圧倒されているだなんて……。一体、白鳥駅前店で短期間に何が起きているのかしら?

(これは女子力のハイパーインフレーションが起きているかもしれないわ……(笑) よしっ、見に行こう!)

例によって、白鳥駅前店への潜入に成功!

私の豊満すぎるお胸がおっとりコーデの上からでも少し目立ちすぎるけれど……まあいいわ。

売り場に入ると、コスメコーナーの奥から甘く小さい黄色い声が聴こえてきた。

「はぁ……拓海さん……最高……♪」

(おや……? エブリデイ可愛い子(まひろちゃん)が、女子力800万を超えているわ……! 呼び方を変えたのね……!?)

まひろちゃんは自分の世界に浸っていたが、私の気配に気づくと瞬時にプロの笑顔を作った。

「ハッ……失礼いたしました! お客様、何かお探しでしょうか〜?」

(やるじゃない、この子……! 余裕の表情でいきなりほのかちゃんをぶち抜いてきたわ!!)

私は人差し指でメガネをクイッと上げると、余裕の笑みを返した。

「いえ……私、マキュアージュ一択なんで(笑)」

「あ、左様でございますか〜♪」

フッ……これはほのかちゃんから愚痴が出るわけだわ~!

「胃に優しいお弁当」で必死に食らいついていたのに、まひろちゃんが愚痴りまくってた「サシ飲み」と「拓海さん呼び」で一気に抜き去られちゃったのね……かわいそうなほのかちゃん。

いきなりこんな大技をブチかまされたら、今のほのかちゃんの女子力ではひとたまりもないわ!!

「次は……噂の薬局長ね」

私はコソコソと、調剤室が見渡せる休憩スペースのコーヒーサーバー前へと移動した。

そして、調剤室で書類をチェックしている氷室涼香薬局長にスカウター(メガネ)の照準を合わせた瞬間――。

(なん……だと……!? 女子力……1000万……!? バカな……!!)

レンズが割れそうなほどの凄まじいオーラ!

ん……? なにかしら、あの凛とした佇まいと甘いデレ顔の既視感は……。

(ハッ……! あのかざしてある等身大パネル……女優の美月ちゃん!? あの大ヒットオフィスラブコメドラマを観たのね!! めちゃくちゃ似てるわ……なるほど。アレは絶対、陣内エリアマネージャーに何か(※不意打ちキス)をやらかした顔だわ……!)

ふと横を見ると、調剤室の隅でほのかちゃんが真っ白な灰になって戦意喪失している。

(あーっ! ほのかちゃん……完全に打ちのめされて戦意喪失してるぅ! ダメよダメよ! あなたのポテンシャルはまだまだこれからなんだから!)

フフッ……ほのかちゃんの上がり際に、どこかに連れ出して突っつく(女子力アップ&再起戦略)を伝授してあげなきゃね♪

「今日はほのかちゃんと『スイゼリア』に行って、ミラノ風ドリアでも食べながら作戦会議ね!!」

私はほのかちゃんが退勤するまで、白鳥駅前店の凄まじい女子力インフレの成分を吸って満足することにしたのだった。

【その頃の白鳥駅前店・バックヤード】

「はぁ……はぁ……っ」

事務所でPCに向かっていた俺――陣内拓海は、胃を刺すような謎のプレッシャーに冷や汗を流していた。

(な、なんだろう……? まひろちゃんの『拓海さん』呼びと、氷室さんの『ほっぺキス』の衝撃が残る店内に……またしても何かが潜入して、怪しいオーラを撒き散らしている気がする……!!)

女子力のハイパーインフレーションと、背後で渦巻く新たな「ほのか覚醒作戦」の予感。

俺は震える手でポケットへ手を伸ばすと、愛用の『ラベール胃腸薬プレミアム』を取り出し、限界を迎えている胃袋に向けてそっと喉奥へ流し込むのだった。

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