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美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


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管理栄養士のスカウター!ほのかの胃袋攻略作戦

ほのかの高校の同級生で、管理栄養士の資格を持つ豊満なおっとりメガネ女子・白戸彩(しらと あや)が登場!

圧倒的な女子力を誇る白鳥駅前店のヒロインたちの「最大の弱点(=料理・栄養学)」を見抜き、ほのかに男の胃袋(と胃の健康)を掴む新戦略を授ける

私、白戸彩(25)。白石ほのかちゃんとは高校からの同級生だ。

栄養満点の私の体は、我ながらかなりの豊満ボディで、噂のギャル実習生ちゃんにも肉薄するボリュームだと自負している。今日はおっとりコーデに身を包み、人差し指でメガネのブリッジをクイッと上げた。

今日のお目当ては、ほのかちゃんから日頃愚痴(?)を聞かされている白鳥駅前店。

なんでも、狙っている上司(エリア長)を巡って、とんでもなく可愛くて強い薬局長と壮絶なマウント合戦を繰り広げているらしい。

今日はほのかちゃんが昼上がりなので、一緒にイタリアンランチに行く約束をしている。

でもその前に……噂の薬局長とやらをこっそり見に行くことにした。だって私、可愛い女の子を観察するのが大好きなんだもの!

コスメ担当の子も「エブリデイ可愛い」らしいし、私からすれば最高のエンタメネタだ。不器用で難儀なほのかちゃんのために、この私が女子力アップの助言をしてあげなきゃね。

何を隠そう、私はほのかちゃんと同じ西城大学の栄養学科を卒業した「管理栄養士」なのだから!

まずは店舗への潜入に成功。ほのかちゃんにはまだバレていない。

どれどれ……私の脳内スカウター(メガネ)をピカリと光らせる。

(ピピピピ……! なんてデカい気(女子力)なの……!?)

コスメ棚の奥から、お人形さんみたいに可憐な女の子――有栖川まひろちゃんがパタパタと現れた。

女子力、いきなり450万……! 測定不能でスカウターが壊れそうだわ。

「 お客様、大丈夫ですか〜?」

思わず気圧された私にまひろちゃんが声をかけてくれたので、「あ、大丈夫ですぅ……」と誤魔化して退散する。

あぶないあぶない。あれはかなりの戦闘力よ。ほのかちゃん、大丈夫なのかしら……?

気を取り直して、ロキソニンを探すフリをして調剤室の薬局長さんを見に行くことにした。

(わぁ……超絶美人……!)

そこにいたのは氷室涼香薬局長。……って、あれ?

噂では「冷酷なクール系」って聞いてたのに、エリアマネージャーさん(陣内さん)の隣で顔を真っ赤にしてデレデレじゃない! どこらへんがクールなのかしら?

でも、あの最高の美貌で可愛くデレるギャップはヤバいわね……。見る見るうちに彼女の女子力が跳ね上がっていく。500万……600万!?

ふと見ると、その隣でほのかちゃんがぐったりと魂の抜けた顔をしている。

ダメよほのかちゃん! 女子力が一気に低い顔になってるぞー!!

ちなみに調剤室の奥では、ガリガリ勉強しているスタイル抜群の巨乳ギャルちゃん(あげはちゃん)もいる。なんてギャップの激しい職場なのかしら。

だが――!

プロの管理栄養士である私の鋭い観察眼は、彼女たちの重大な「ある共通点」を見逃さなかった。

(……待って。あの子たち、みんな手や爪がツルツルで綺麗すぎるわ。包丁ダコや手荒れの痕跡が一切見られない……こりゃー、日常的に料理をしていないわね!!)

これは由々しき問題だけど……同時に、ほのかちゃんにとっては大逆転のワンチャン(勝機)アリよ!

可愛い成分をたっぷり吸って大満足した私は、待ち合わせ場所へ向かった。

「あっ……やっほー、彩ちゃーん!」

昼上がりで私服に着替えてやってきたほのかちゃんに、私はビシッと人差し指を突きつけた。

「フッフッフ……いま、ほのかちゃんは一番女子力が足りていないわ……!」

「なっ!? えぇ!?」

「見ちゃった~白鳥駅前店! いやー、おもしろーい(笑)」

「もー! 冷やかしに来ないでよぉ! 助けてよぉ〜っ!」

頭を抱えるほのかちゃんに、私はニッコリと微笑んだ。

「ほのかちゃん、私の職業をお忘れかしら?」

「管理栄養士でしょ……? それがなにか関係あるの……?」

「あのね、あの二人(薬局長&まひろちゃん)……女子力は確かにバツグンだけど、私は指先をしっかり見てたのよ。あの子たち、絶対に普段料理をしていないわ!」

「えっ……!?」

「ほのかちゃん、学生時代にストーカーばりの執念で陣内エリア長の学食のメニューをガン見してたじゃない。今こそあの知識を生かすのよ! 『好きなお弁当作戦』よ!」

「ええっ!? か、唐揚げなら作れる……かな……!」

「ノンノン! だめーっ!」

私は人差し指をチッチッと振った。

「30代に入った男性には、高校生みたいな油ギトギトのノリは通用しないわ。それにあのエリアマネージャーさん……見るからに、職場の美女たちの圧とストレスで胃に来てるわね!」

「えっ……!?」

「学食の思い出は一旦置いておいて、新たに彼の『現在の胃の健康状態』をリサーチするの! 胃に優しくて栄養満点の愛妻風お弁当をあげるのよ! あと、あなたには今日からNR(サプリメントアドバイザー)の勉強も命じます!」

「サプリメント……!?」

「見たところ、あなたの店舗は薬学やメイクには精通してるけど、栄養学には精通してないわ! だって料理してないもの絶対! 学術やメイクの力だけじゃ、男の胃袋と心は掴めないのよ!!」

私の熱い熱弁に、ほのかちゃんの瞳にメラメラと情熱の炎が灯った。

「が、頑張る……! 私、エリア長のために『胃に優しい栄養満点お弁当』作る……っ!!」

ぐんぐんと輝きを増していくほのかちゃんのオーラ。私の脳内スカウターが激しく反応し始める。

その意気よ、ほのかちゃん!

こうして、管理栄養士・彩の指導のもと、陣内の胃袋とハートを狙うほのかの「胃に優しいお弁当秘密作戦」が幕を開けたのだった――!

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