↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/104

サプライズと、プチ修羅場

登録販売者試験に見事合格したまひろのサプライズお祝い会と、バックヤードで勃発するヒロインたちの激しい「プチ修羅場」、そして相変わらず限界を迎える陣内の胃痛

登録販売者試験の合格発表日。

白鳥駅前店のバックヤードには、いつも以上にソワソワとした空気が漂っていた。

「ふふっ……準備はバッチリね。有栖川さん、そろそろ戻ってくる頃だわ」

氷室涼香が手際よくティーカップを並べ、白石ほのかが手作りのメッセージカードを飾り付ける。さらに、ギャル実習生のあげはが「マジ、まひろ先輩リスペクトっすわ〜♡大会も準優勝とかチートすぎっしょ!」とクラッカーを片手にスタンバイしていた。

そう、本日は――見事、登録販売者試験に一発合格を果たした有栖川まひろの『合格お祝いサプライズパーティー』なのだ。

「あ、足音が聞こえます……! 来ますよ!」

ほのかの合図と同時に、バックヤードの扉がガラッと開いた。

「ただいま戻りまし――って、え……?」

両手に検品用のダンボールを抱えたまま、まひろはポカンと目を丸くした。

「「「おめでとう、まひろちゃん(有栖川さん)ーーっ!!」」」

パンッ! パーンッ!!

クラッカーの音が鳴り響き、金色のテープがひらひらと舞い散る。

デスクの上には「登録販売者合格おめでとう!」と書かれた特製のケーキがドンと置かれていた。

「え……これ、私の……? 私の合格祝い……!?」

まひろは驚きと感動で瞳をうるませ、抱えていたダンボールを思わず床に落としそうになった。

「当たり前でしょ。あんなに連日、陣内さんに泣きつきながら過去問を解いてたんだもの。当然の結果よ!羨ましいわ!」

涼香が優しく微笑み、ほのかも「おめでとうございます、まひろさん!」と両手を握りしめて祝う。

「まひろ先輩、マジパネェっす! 」

あげはがノリノリでハイタッチを求める。

そして、みんなの中心にいた俺――陣内は、少し照れくさそうに頭をかきながら、まひろに一歩歩み寄った。

「有栖川さん、本当によく頑張ったな。合格おめでとう。これで君は、コスメだけでなくヘルスケアのプロとしても堂々と胸を張れる。『ウチの自慢のスター』の資格が、また一つ増えたな!」

その言葉を聞いた瞬間、まひろの目から大粒の涙がポロリとこぼれ落ちた。

「エリア長〜……っ!」

我慢できなくなったのか、まひろは周囲の目も憚らず、一直線に俺の胸元へと飛び込んできた。

ギュッ……!!

「うおっ! また直撃かっ!?」

「ありがとうございます……! エリア長が勉強に付き合ってくれたおかげで……私、頑張れました……! だから……合格のご褒美に、いっちばん大きなハグをください……っ!!」

全身全霊を込めた、愛らしさ全開の特大ハグ。

あまりの至近距離と密着度に、俺の心臓はバクバクと暴れ出す。

(くっ…またも上室性頻拍が…皆自分の容姿が飛び抜けている自覚がないのかっ…)

――だが。

この甘い空間を、周囲の空気が一瞬で凍りつかせた。

「……ちょっと、離れなさいよー…」

涼香の低い声が、バックヤードの温度を数度下げた。

「合格祝いのハグにしては、少々『密着度』が高すぎじゃない? それに、あなたさっきからエリア長の胸元に顔をうずめすぎよ!私だって2人ほど可愛くはないかもだけど…なでなでされたい!」

クールで綺麗な顔をして何か言い出した

「そ、そうですよ! まひろさん、いくら準優勝や試験合格したからってエリア長を独り占めするのはズルいです! 私だって合格祝いに頭ポンポンくらい――」

ほのかが慌てて割って入り、むー!っとまひろの肩を引っペがそうと試みる。

「あはは〜…おもろ〜(笑)私は評価さげらんないからまざらんとこっと…」

あげはが面白がって、後ろについている

「ちょっ、みんな離れてよ! 今日は私の主役なんだから、エリア長は私のも――」

「誰が誰のものよー!」

「そうよ!みんなのエリア長でしょ!」

「「「わーっ! 引っ張らないでよ!」」」

俺を真ん中にして、3人の美女たちが一斉に腕や服を引っ張り合う大乱闘(プチ修羅場)へと発展した。

「い、痛たたたた……! おい、みんな落ち着け! 服が裂ける! 首が締まる……!」

四方八方から押し寄せる美しさの圧力と、容赦ない引っ張り合い。

一歩間違えればセクハラか四つ裂きの刑という地獄絵図の中で、俺の胃袋は限界突破の悲鳴を上げた。

美人が揉みくちゃになり俺は頭がどうにかなりそう

(あ、アカン……! 祝いのケーキを食べる前に、俺の胃が爆発四散する……!!)

俺は冷や汗を滝のように流しながら、プルプルと震える手でポケットを探った。

「す、すまん……みんな、ちょっと待ってくれ……! ラベール胃腸薬プレミアムを……命の水(薬)をくれ……ッ!」

絶叫しながら胃薬を取り出す俺と、それを囲んで「ちょっとエリア長、私を見てくださいよ!」とバチバチ火花を散らすヒロインたち。

こうして、ドラッグラベールのバックヤードは、今日も今日とて賑やかで胃に悪い、最高(最悪)の笑顔に包まれるのだった

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。