↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
134/137

ジェネラリストの底力と、愛妻家のピンクオーラ

がん領域チームを率いる等々力隆弘(シュガーさんの夫!)が、若手たちの圧倒的な症例レベル(手足症候群や脱毛ケア等)と怪しいピンクオーラに困惑する中、ジェネラリストチームを率いる神崎誠(葵の夫!)が乱入! 「我がジェネラリストチームは物販で売り上げ他チームの2倍! 我々の物販力が高度医療を支えているのだ!」

私――等々力隆弘(とどろき たかひろ)。

がん・緩和医療チームの指導責任者として、受講生たちから提出された症例報告書に目を通しながら、会場全体を覆う妙なピンク色のオーラにひたすらたじろいでいた。

(……くっ、何なんだこの空間の熱気とピンク色の空気は……!?)

だが、提出された症例報告の精度は本物だった。

分子標的薬や抗がん剤による手足症候群(HFS)への適切な保湿・皮膚刺激対策

脱毛(アロペシア)に対する患者精神ケアと、店舗での医療用ケア帽子の提案・販売連携

治療に伴う不眠症・精神的ストレスへの寄り添い

負担の大きいご家族への包括的なレスパイト・メンタルケア

どれをとっても、即座に臨床現場で活かせる素晴らしい出来栄えだ。20代後半から30代前半の若手薬剤師たちが、これほど高度なレベルで活躍し、医療に貢献しているとは……正直、私の想像以上だった。

ふと、自分の顔を触る。

(……このピンクオーラ。本部の悪魔……あの神崎葵課長が言っていた『欲望の解放』というやつなのか……? はっ……! ビューティースーパーバイザーとして社内を仕切る私の妻・シュガー(等々力環奈)に対し、私も家でこんなデレデレした顔をしているというのか……!?)

視線を動かすと、我が「がんチーム」の次期エリア長候補筆頭である一ノ瀬蓮が、向かいの精神科ブースにいる天音ちゃんを見て「デロッデロ」に鼻の下を伸ばしている。

(一ノ瀬のやつ……薬師寺さんを見て完全にデレデレじゃないか……。ウチの花形がんチームは全員が日本医療薬学会やがん医療薬学会に入会済みだし、正直私から指導する必要すらあるのか謎の完成度だが……)

ふと、疑問が湧いた。

悪魔課長こと神崎葵の旦那――神崎誠(かんざき まこと)のことだ。

ヤツが担当しているのは【ジェネラリスト(オールラウンダー)チーム】。

(あそこは……一体全体、何をするチームなんだ……?)

私が一人で怪訝な顔をしてジェネラリストチームのブースを眺めていると――ツカツカツカと、神崎誠が勢いよく歩み寄ってきた!

「なっ……なんだというのだ、神崎誠!?」

誠はバシッと指をさし、ドヤ顔で言い放った!

「今……『何やってんだ、あのチームは?』って顔しましたよね!?」

「いっ……いやぁ、そんな顔はしていない!!」

「してましたよ!! だが言っておく!! 我がジェネラリストチームは……社内ナンバーワンーーーーーっ!! できんことはないーーーーーっっ!!」

「「「!!??????」」」

誠の大音量の叫び声に、隣の【精神病・認知症チーム】の陣内・涼香・天音も、一ノ瀬がいる【がんチーム】も、糖尿病チームも厳格な神楽坂エリア長すらも「何事だ!?」と大バッシング並みに驚愕して振り返った!

誠は胸を張り、会場全体に響き渡る声で大演説を開始した!

「バァカ者がーーっ!! ジェネラリストチームはぁー!! 社内の圧倒的な【物販力・OTCカウンセリング力】を基準に!! 爆発的な売上を作り上げているのだぁーーっ!! 売上高!! 他の専門チームの約2倍だーっ!! フハハハハハッ!!」

「なっ……なん……だとっ……!?」

「高度な専門医療の提供も!! 学会参加費の補助も!! 我々の物販の稼ぎ!! セールス力を基盤にして作られているということを!! 忘れるな専門薬剤師チーム共よーっ!! フハハハハッ!!」

「……っっ!!」

等々力隆弘は、ぐうの音も出ずに絶句した。

(たっ……確かにそうだ……! 店舗という母体の収益力が盤石でなければ、専門薬剤師の育成も、学会活動への注力も不可能なのは紛れもない事実……っ!!)

「分かったか! 等々力!!」

「……分かった……! お前の言う通りだ……神崎誠……っ!!」

互いに熱い視線を交わし合う二人。

すると、神崎誠はふっと真顔になり、私だけに聞こえるような小声で耳打ちしてきた。

「あと……等々力さん。あなたが奥さんのシュガーさんを見る目は……コイツらの放つピンクオーラそのものです。……まあ、俺が葵を見る目もそのピンクオーラそのものなんですけどね。お互い、胸を張りましょう……」

「……っ!!(激しい共感と赤面)」

専門医療の厳格さ、経営のリアル、そして愛妻家たちの誇り――。

変な学びと熱い人間ドラマが大量に詰まった、伝説の店長セミナーの1日が更けていくのだった。

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。